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目立ちたがりのキミがすき。

POPを作ってみませんか?

すっかりご無沙汰しております。
はい、さぼってました。
ツイッターはしょっちゅうやってるのにnoteはほったらかし。
そろそろメンバーからの突き上げがありそうなので更新です。

さて、今年の1月、2月に東京と大阪で、書店様研修会を実施しました。
看護業界の動向や看護書のこと、看護クイズなど毎年メンバーで内容を検討し、手作りで行っています。
毎回各40名ほどの書店員さんが集まる、看販会のビッグイベント。

今回はあらたに「5分でわかるPOPの作り方」というテーマをいれてみました。
このテーマをやりたかった理由は、ある書店員さんからのひと言でした。

「何を書いたらよいかわからない。専門家が読む本を素人がコメントしてよいのでしょうか」

過去にも研修会等で、手書きPOPを作りましょうと、事あるごとにお話してきました。
一般書に比べて類似テーマが多い専門書は、POPがあることでお客さんの目に留まりやすいからです。

書店員さんからは「そんなことはわかってる。けど、時間は無いし、店の方針もあるし、何より書けないし」という意見。

それを聞いた自分は、「そうか、ちまたで言われているPOP不要論ではなく、必要性自体は理解してくれてるんだな。一番の障害は「書けない」ことなのかも」。

こんな感じで脳内変換していた矢先に、先ほどの書店員さんの言葉をもらいます。
ならば書き方のマニュアルを教えちゃおう、と今回のテーマを決めました。

とは言え、POPの書き方をうまく伝えられるだろうか?

だけど手書きPOP作りについてはド素人の自分。講義の準備に際しては、日本一のPOP職人と思っている、紀伊國屋書店新宿本店の医学・看護書のご担当に指導をしてもらいました。
この方無くしては、POPのテーマで話すことはできませんでしたし、本当にたくさんの知恵をもらうことができました。

そして、講義が始まります。
すでにメンバーが看護業界や看護書のこと、棚作りなどを講義してくれているので、お客さんは温まっています。
おっ、自分の話に深くうなづいてくれてるぞ。
あっ、あのひとはうつらうつらしてる。
どうなんだ?よろこんでくれてるのか?つまらないのか?

講義終了。
この後の懇親会で事情聴取です。

「講義、どうでした?」
「あっ、勉強になりました」

まあ、そう答えるよね。
本人目の前にして「つまんねえ、時間の無駄」とは言えません。

「POP作れそうですか?」
「やってみようと思います」

うん、わかる。
「やりません」なんて、大人は言わない。
「今度飲み行きましょう」が社交辞令なのと一緒。

そして3人目。

「POPを書きたくなりました。けど、やっぱり何を書いたら良いか…」

よし、きた!まず書きたくなってくれたことで第一段階クリアしてる。あとは具体的な作業だけ。
もう少し話をしてみよう。

「いままでPOPって書いたことありますか?」「あります。けど看護書ではないんですよ」
「写真とかあります?」
「これです」

そこにはドラゴンと勇者らしき少年のイラスト。めちゃくちゃうまい。

「これでいいんですよ!好きなことをPOPにしちゃえばよいんです!」
「本の特徴とかは…」
「それは帯とか、出版社からの情報とかちょろっと入れればよいんです。まずはこのイラストでお客さんの目を引きましょうよ」
「なんか、できそうな気がしてきました」

このやりとりが出来たことで、講義をした目的が果たせたと感じられました。

それから1か月。その書店さんのフェア告知が、ツイッターでつぶやかれます。
「研修医・レジデントフェア」とかかれた大きな看板には、剣を持つ勇者とドラゴンの姿がありました。

講義の最後はこんな言葉で締めました。
自分の考えるPOPとは、

①PASSION(情熱)②OFFER(提供)③PUSH(後押し)

書店員さんの情熱を紙にのせ、お客様へ本の素晴らしさを提供する。それが購入を後押しするきっかけとなる。

POPは本が痛むし邪魔、書店員の自己満足だというかたもいます。
でも、そのPOPにある言葉やイラストに共感して、本を購入してくれるかたはいるはずです。
その書店員さんのファンになる人だっています。

お客さんのことをよく知る書店員さんが作るPOPは、本選びのみちしるべです。この講義をきっかけにPOPを書いてくれる書店員さんが増えてくれたら、とてもうれしいですね。

講義より【5分でわかるPOPの作り方】

[極意其の一] 
字や絵がヘタなんて関係ない。下書き無し、勢いで描く

数字を入れるだけでもPOPになります。
改訂版、年度版などは発売日を表記するだけでも。


[極意其の二] 
文字だけでもOK!ただし、派手に仕上げる!

絵が苦手なかたは文字だけでも充分内容を訴えることができます。
目を留めてもらうためには、大きい文字や色文字、マステなどで飾り付けをすると効果的です。

[極意其の三] 
出版社から送られて来る新刊案内をパクれ!

新刊案内がFAXやメールで送られてきます。
そこには本の特長が必ず明記されているはず。
どんどん真似しましょう。

[極意其の四]
『まえがき』には本の特徴が詰まっている!

出版社の新刊案内も「まえがき」からポイントを抜き出しています。
まえがきには本の対象者が書かれていることが多いので、参考にできます。


[極意其の五] 
表紙のイラストをまねるとイメージが伝わる!

イラストを描きたいけど、何を書いたら….というかたは、表紙のイラストをそのまま使いましょう。似ていたり、そうでなかったり、どちらにしても目立ちます。

[極意其の六] 
カウンター担当の空き時間を有効活用。1点5分以内で描く!

凝ったイラストや大きいモノでなければ、5分程度で描けるようになります。
カウンターの空き時間にこそっとやっている方は多いです。
まずは「5分間の書く時間を作る」ことから始めましょう。

[極意其の七] 
プロが読む本のPOPを素人が作ってもゼッタイに怒られない。むしろ喜ばれる!

最近はSNSで情報発信をしている医療者のかたが増えています。
自店のSNSアカウントを使用して、著者に気づいてもらえるような展開、発信をすると、拡散してくれることが多々あります。
ツイッターの場合は著者のアカウント名とともにつぶやくと見つけてもらいやすくなりますよ。
うまくいけばサイン本を書いてもらえることも!

[応用編] 
ここまでできれば、POPマスター

紀伊國屋書店新宿本店医書センターの店員さんたちは、みなさんPOPを作られます。
それぞれに個性があって参考になるはずです。
ぜひ店頭で実物を見てください。

[おすすめ書籍] 

売れる! 楽しい!「手書きPOP」のつくり方
(1,650円/同文舘出版)

私も読みましたが四角形のPOPの概念が変わりました。紀伊國屋書店新宿本店の書店員さんは本書の著者、増澤さんを講師に招いて研修会をされたそう。おススメです。

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