【じいじの生活と意見】キングダム「大将軍の帰還」
昨日はキングダムの第4作「大将軍の帰還」を見に行きました。もちろんIMAXです。
この作品は今も単行本70巻を越えて連載中の作品で、その16巻目くらいなのですが今回で最終章と言う事らしいです。私はウソだと思ってます。
キングダムはご存じの通り秦の始皇帝となる政(吉沢亮)と秦の大将軍を目指す信(山崎賢人)の物語ですが、今回の映画に関しては信が師匠と仰ぐ大将軍、王騎(大沢たかお)が主人公と言えるでしょう。
そして映画のクライマックスは王騎と王騎の宿敵龐煖(ほうえん:吉川晃司)との因縁の一騎打ちです。
私、実はこうした映画の見せ場的なシーンがあまり好きではなくて、007のカーチェイスとか最終対決のシーンではいつも「長げえよ」と思いますしさらにAmazonビデオとかだと早送りさえしてしまうのですが。
今回は違いました。
月並みな表現ですがすごい迫力で一気に見ちゃいました。
あの王騎の憤怒の顔のアップだけで、それをおかずに白ご飯食べられるほどでした。
ここまで最終決戦に見入ってしまったのは後にも先にもなく、強いて言えば「七人の侍」以来でした。
この対決が凄いと思うのはもちろん二人の俳優の演技によるところが大なのでしょうが、さらにこの二人の「強さ」の背景の違いを観客が理解したことにあると思います。
王騎の宿敵龐煖は「武神」と言われるだけあって、己の強さを神の領域にまで高めようとひたすら修行し、力を極めたと確信しそれを天下に示すために戦場に現れ、まるで神事を務めるように力を振るいます。
※そう言う意味では冒頭、龐煖が同じく自らに神を下すことで超人的な力を発揮する羌瘣(清野菜名:私、この人大好きです)と対決するシーンはもっと作りこんで欲しかったなと思います。でもこのシーンは前作からの続きになっているのでこのくらいなのでしょうが。
一方の王騎は人としてと言うか人の群れである軍の頂点たる大将軍として一つ一つの戦いの中で経験を積み、人を殺し、また仲間の死や想い、大勢の仲間を思い、思われる気持ちを背負い、さらに自分が愛した人を龐煖に殺された恨みまで背負い、それら一切合切を力に変えたまさに人としての力の頂点に達した男です。
たとえて言いますとハーバード大出身の天才アナリストとたたき上げの名物営業マンとでも言いますか(だいぶ違うか)
そこがわかってしまうと言うのも二人の俳優、特に大沢たかおの凄さだと思います。
とまあ、二人の対決に感動したわけですが、その分、全体的なストーリーはちっとも進みません。始皇帝の中華統一は何十年もかかるのですがこの映画では多分一晩と丸一日くらいです。
多分、この映画はまだ続くのでしょうが、私が死ぬまでにせめて前半の山場の函谷関攻防戦くらいまでは観たいものです