見出し画像

静岡で漫才した~浜松漫才グランプリ~

みなさんこんばんは。

僕は今年の5月、小さな目標を達成しました!

「芸人として地元で舞台に立つ」という目標です!

地元と言っても、同じ静岡県ってだけで僕が育った地域とは距離がある浜松市です。(僕は静岡市生まれ)

東名間を移動したことある方は重々承知でしょうが静岡県は横に広いです。
なので同じ静岡県とはいえ、浜松市に対して地元という感覚はびた一文ありません。微塵もありません。呆れ返るほどありません。性懲りもなくありません。

でも同じ静岡県なので、地元で舞台に立つという目標は達成とさせて頂きます。

今回、僕らバターヤングは浜松漫才グランプリという大会の決勝に進出して、実際に戦って参りました!!!

以下、戦記。


浜松漫才グランプリ。今年で3回目を数える日本の賞レースの中でも歴史の長さには目を見張るものがある由緒正しき神聖な大会。
出場資格はメンバーの誰かが東海地方のいずれかの県に関係があること、というお笑いの概念を今一度見返すのに適した稀有な条件。

僕は高校卒業までの18年間を静岡の蒲原という田舎というのはあまりにも田舎すぎる。ノットトゥーマッチ田舎。
浜松漫才グランプリへの出場資格を得るための田舎暮らしであったことを27歳にして知る佐野。

Twitterでこの大会の存在を知ったその瞬間、相方(愛過多)に
「出場しよう」という旨の連絡をすると
「りょうかいです。」という旨の連絡が返ってきた。
安堵と若干の困惑の旨が脳内に染み渡る。

相方(愛過多)は僕が何を送っても「りょうかいです」しか返してこない。
野球部くらい肯定の返事しかしない。独裁国家くらい返事のレパートリーが統制されている。

組んで1年くらいになるけどたぶんこれが無理のない彼の姿なのだろう。

相方からしたら縁もゆかりもない静岡の、しかも県庁所在地でもなく浜松まで、優勝しなかったらただただ赤字の大会に出るかどうかを
「りょうかいです」と即答する相方に甚く頼もしさを覚えた。

こいつ・・・優勝しか見えてない・・・


予選は動画審査。
ネタ動画を運営に送って、その結果16組が5月に開催される決勝の舞台に立てる。
結構立てる。
M-1は7000組エントリーして10組しか決勝の舞台に立てない。
浜松漫才グランプリはそれに比べたら、
結構立てる。
うん。立てる。

とはいえ母数が分からない以上、決勝進出16組が発表されるまで緊張の日々が続いた。
結構立てるとか思ってしまっている時点で怖かった。
その分落選した時のショックがデカいから。
(結構立てるのに・・・)とか思ってしまうから。

12月の下旬にエントリーを完了し、結果が出るのが2月上旬。

しかもこの1か月の間に大事なオーディションに落ちたりなど落ち込むことが続いていたため
(落ちてるかも・・・結構立てる舞台なのに)という気持ちが大きくなっていた。

そして迎えた決勝進出者発表当日。
大会の公式Twitterのツイートしたファイナリスト一覧に僕の名前と写真が・・・・



あった!


ジブリのキャラくらい豪快に笑う佐野とバターヤングのオーニシ

そりゃあるだろこんな記事書いてんだから。
上記でも決勝の舞台に立ってきたって書いてるし。
いたずらに煽ってすみません。

ってことで決勝の舞台!!浜松へいざ出陣!!!

ここで気になるのが浜松までの交通手段である。

みなさん私にどのような印象を抱いているのか、その全容は理解しかねますが、概ね総意であることでしょう。
そう。お金がない。
合ってます。

つまり。
東京浜松間をどのように移動するか問題を
「新幹線」と解決するという選択肢はナッシング。そしてナンセンス!!

如何に安く、そして楽に移動するかを考えて辿り着いた答えが・・・

バス!!!

若手芸人のオアシス!高速バス!

相方と2人で!!

前日の夜に前乗り!!
浜松で一泊して挑む!!

みなさんはお笑いコンビの仲についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
僕は、このような高速バス移動がある際は
相方と隣同士でイヤホンを片方ずつつけながら一緒のタブレットで映画を見る。
これがお笑いコンビの移動のイメージでした。

しかし。。。

相方のオーニシ君がバスのチケットを取ってくれたのですが。。。

なんと席が隣同士ではなかったのです。

この衝撃的な事実はバスの運転手から伝えられました。

僕が8Dでオーニシが7D。

そうつまり、列が違う上下の関係。

網膜に灰色の蓋が閉まる。
どれだけ瞼を開いても視界の靄が消えない。

なぜだ??

確かにGWとはいえ
東京から浜松までのバスがそこまで混むとは思えない。
事実として僕ら以外の乗客の数がどう考えても満席の人数じゃない。
なにより!!
新宿から乗った時点では僕らの隣の席は空いていたのだ!!

この時点ではまだ確定しなかったのだが
渋谷から夫婦が乗ってきて僕とオーニシ君の隣にそれぞれ座ったことによって確定した。

オーニシが。。。敢えて別々に席を取ったってことか。。。

どうしてオーニシは僕と隣に座ることが嫌だったんだろう・・・

神奈川、静岡の山々の自然を眺めながらそんな物思いにふけってしまった。

変顔で僕のご機嫌を取るオーニシ

こんな変顔でなんとかなるほど佐野のメンタルは単純じゃない。


コンビ間の確執が露になる中、僕らは浜松に到着した。


とまあお笑いコンビなんてものは衝突と再生を繰り返して強くなるサイヤ人みたいなもの。
浜松に着いたらお互いご機嫌に街を眺め
【夜何を食べるか】の議論に花を咲かせた。
浜松と言えばうなぎ、浜松餃子。。。枚挙にいとまがないとはこのこと。美味しいものフェスティバルシティなのである。

そんな丁々発止の議論を重ねていると段々と肩の荷が重くなってきた。
なぜか。

それは荷物のリュックを背負っていることが原因に他ならない!!

僕は大会終わりそのまま実家に帰ることを予定していたのでオーニシ君よりも荷物が多いのだ!!!!

「畜生!!」

僕は浜松の夜空に叫んだ。

リュックが重いからだ!!!

オーニシ君は1泊しかしないからリュックが軽い、故に夕飯何を食べるかについて悠長に丁々発止磨きがかかって喋ってられる。

しかし!!
俺はリュックが重いから丁々発止とは遠く及ばない喋りになっていく。

「一旦リュック置こう!!
ってか一旦ネカフェに荷物置こう!!!」

オーニシ君はこの僕の丁々発止の訴えに見事に快諾。

僕たち2人はネットカフェに一旦荷物を置いてから飯を食うことに決めた。

しかし・・・

ここから僕らの悪夢のような決戦前夜が始まる・・・


ネットカフェに一切の空き部屋がないと言われたのだ。
それもそのはず。
このGWは浜松祭り真っ只中、更にそれだけではない!!
今年の浜松祭りには・・・・

松本潤が来るのだ!!!!


故にホテルはもちろんネカフェも満席オブ満席!!!

甘かった!!!

誠に甘かった!!!

僕たちバターヤングは浜松漫才グランプリ前日に、宿泊先を確保できずに路頭に迷うことになったのだ!!!!!


泣き崩れるオーニシ、負けじと泣き溺れる佐野。
2人の涙が丁々発止に零れ落ちたとき。。。

奇跡は起きる。

結局飯を食べて(餃子)から
改めてネットカフェに連絡を入れてみると

「ペア席なら空いてますよ」
との回答を獲得。

ネットカフェに明るくない人向けに説明をすると
ペア席は大人が3人川の字で寝たら狭いくらいのスペースの部屋である。


僕は迷った。

オーニシと同じ空間で寝る・・・??

無理だ!!

僕は・・・・

女の子としか眠れない!!!!

女の子となら・・・無限に眠れるのだけれど!!!!

男とは・・・有限に眠れない!!!


しかし佐野のこの葛藤を嘲笑うかのようになぜかペア席に泊まることにノリノリなオーニシ。

なぜペア席に泊まることにテンションが上がれる人間がバスの席隣は嫌なんだよ・・・

結果的に野宿するわけにはいかないという理由の1点突破で2人でペア席に泊まることになりました。

泊まることによって
(オーニシ君コンタクトなんだ・・・)とか毒にも薬にもならない発見とかありました。

オーニシ君は半個室で隣の部屋等に声が漏れるにも関わらず

「シャワー浴びてきました!!めっちゃ綺麗ですよ!!」
とか大きい声で話しかけてきました。

可愛いと鬱陶しいは紙一重とはよく言ったものです。

シャワー浴びてすぐにオーニシ君は寝ました。
彼はノンストップで朝まで寝てました。

この図太さは見習いたいです。

僕は繊細な一面が爆発して20分しか眠れませんでした。


ここに極まれり佐野の神経質。

相方が隣にいる&慣れない環境というハイパーコンボが僕を苦しめました。


明くる午前11時。

ネットカフェを出て会場に向かいます


会場の場所が分からないのになぜか先頭を歩くオーニシ


会場に着くと既に知ってる芸人さん達、即ち他のファイナリストが先に到着していました。

テレビで見たことある人・・・M1の予選動画で見たことある人・・・

隣のオーニシは泡を吹いて医務室で横になることに・・・

そんな睡眠不足と意識不明を抱えながらもなんとかその時発揮できる力を出し切って決勝のファーストラウンドを突破!!!

そして決勝!!!

決勝の2番手を勝ち取り迎えたファイナルラウンドの出番!!

掴み、1ボケ目、2ボケ目までは踊り狂うレベルのウケ方。

100人を超えるお客さんが皆まで抱腹絶倒!!!
笑いすぎによる腹痛から体調不良を訴えるお客さんが続出!!!

ここで20人余りが救急車で運ばれたことはニュースでも周知の事実である。

しかし・・・

3ボケ目から・・・

徐々に嫌な雰囲気へと変わっていく・・・

間に救急隊員が入ってきたことが原因かは定かではありませんが

つるつるに滑り始めたのだ。

これがフィギュアスケートだったらとんでもない高得点を叩き出していたのではないかと神話として語り継がれているらしい、それくらいに滑った。

もちろん結果は優勝ならず。

姉の知り合いの同級生という地元感満載の縁があったインザパークさんが優勝を手にしました。

永かった・・・


以上が戦記になります。

この記事がこの大会の知名度を少しでもあげるなにかになれば・・・
僕らがファイナルステージにまで勝ち残った価値が上がると思って書きました。



さて!!次の目標は「芸人として関西(大学時代住んでました)で仕事をする」です。

仕事を理由に知ってる土地に行くことが好きらしいです。それくらいその土地土地に愛されて生きてきました。

楽しかったです!!浜松!!!

また!!!


この記事が参加している募集

#はじめての仕事

4,098件

みなさんからのサポートで自分磨いて幸せ掴むぞ♪