イノベーション・オブ・ライフを読んで

非常に良い本だった。主にキャリアのところを読んだが、一言で言うと「好きな仕事、これだと思う仕事が見つかるまで探索しろ!妥協するな!」と言う本だった。

リーダーシップへの旅とも似たような内容が書かれていて、人は本来自分がやりたいことがあっても、「お金を稼ぐ」ために別のことをして、組織に属するうちにやりたいことを忘れていってしまう。そして、その状態に慣れてしまうと、本当にやりたいことに戻れなくなるリスクがある。

戦略は、意図した計画の深化と意図しない計画から生まれる探索の2つから成り立っており、キャリアにおいては「これだ!」と思えるものが見つかるまで探索した方が良いといってる。

そして、探索にあたっては「考えていれば閃くものではない」と書いてある。行動して、いろいろ試せと。

また、動機付けを衛生要因と動機付け要因と言う2つから説明しており、お金は衛生要因。つまり、マイナスをなくすためのもので、増えていってもプラス(働いていて楽しい)に転化するものではない。

戦略の実行に関して。自分がこうしたいという生き方の基準を仮でもいいので作ったら、普段の時間の使い方がそれに沿っているかを確認することが大切と書いてある。その通りだ。生き方は、日々の時間の積み重ねでしかない。
また、人間は短期で成果になるものにフォーカスしがちで、長期目線を失いがちになる。これは自分もそうで、特に1年前など長期視点で人生を考えられていなかった。半年、1年単位で浅い成果を求めていたと気づく。結局、世界レベルのサービスを出していくには、何かでそのレベルに達する必要があって、そこには時間がかかる。短期で浅い成果を出すのと、長期で深い成果を出すのは考え方が違う。人生は続いていくので、5年10年スパンで物事を考えていこうと思った。競争じゃなくて、自分の人生。

あとは、探索だけだと生きていけないので、探索をしつつお金を稼ぐ必要がある。そのための手段として、何かハードスキルよりの仕事をできるようにするというのはありかなと思った。失敗した時のリスク分散になる。
ソフトスキルよりの仕事は、結局その人の熱量が大切になってくると思っていて、時間が短いと成果を出すことは難しい。かつ、ちゃんと目に見えるので、「お金を稼ぐ」という観点に関しては、ハードスキルよりの方が、ボラタリティが低い。

以下、気になったことを箇条書き

  • 私たちの多くは、歳を重ねるごとに夢を一つまた一つと失っていく

    • 起きている時間の中で、最も長い時間を仕事に費やしていると考えると、このような妥協は必ずここを蝕んでいく

  • 真の動機付けとは、人に本心から何かをしたいと思わせること

    • 衛生要因

    • 動機付け要因

  • 自分の愛することを仕事に選びなさい。そうすれば、あなたは一生のうち、1日も働く必要がなくなる

  • 別の言い方をすると、人生で実験せよと言うこと。自分のキャリアでこれという仕事がまだ見つかっていない状況で、人生の向かう先がはっきり見えるようになるのを、ただ漫然と待っているのは時間の無駄とわかる

  • 問題に向き合うのを先延ばしにしていると、何年もたったある朝、こう思う。「私は一体何をしているんだろう」と。

  • 企業であれ人生であれ、実際の戦略は限られた資源を何に費やすかという、日々の無数の決定から生まれる

  • 長期的に正しい決定が短期的には意味をなさない場合もある

    • 企業活動は、見返りがすぐ形になって現れる取り組みへの投資を促すようにできている。

  • あなたの資源配分プロセスは、意識して管理しなければ、脳と心に元々備わった「デフォルト」基準に沿って、勝手に資源を振り分けてしまう。

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