自己愛性パーソナリティ障害がよくわかる本を読んで

こんばんは、カンパマンです。今回は、毛色を変えて精神医学の本についてです。

結論から言うと、とてもわかりやすく、いい本でした。また、自分が自己愛性パーソナリティ障害であることも自覚できました。自分は、他人が自分と同じように何かを考えていると言う感覚がなかったです。「モノ」として考えていたというより、他人の感情を推し量るという行為が選択肢の中に存在していなかったという感じです。

彼らの脳でも、悲しみ、喜び、怒り等の感情がちゃんとあります。脳内物質が出ています。それを認識して、行動したいなと思いました。あとは、自分だけ所得・富・称賛を得ることにどのような意味があるかということをちゃんと考えたいです。人と一緒に、喜び合う、成長を楽しむ、そういったことに価値があるのではないかと、考えさせられています。(まだ答えは出していない)

もちろん、薄っぺらくこのようなことを言うのは簡単ですが、私は、何に価値を見出すのか、しっかりと向き合って考えていきたいと思っています。

以下、要約

基礎知識

パーソナリティとは、その人特有の認知・感情・行動などの「あり方」。具体的には、性格・価値観・倫理観などが含まれる。

パーソナリティの成熟度を定義した人がおり、その人によると、

1. 他人の立場になって、考えられる

2. 他者について、その人の色々な面を理解できる

3. 相手、物事に対して、思いやり・罪悪感を持つことができる

4. 自分のいろんな面を認識している。自分の理想と、現実的な能力が一致している。

5. 理想と現実に差分がある場合、実現するために努力ができる

パーソナリティ障害とは、様々な面がある人間・物事を1面的にしか見られない人のことを言います。

自己愛性パーソナリティ障害とは

自己愛性パーソナリティ障害とは、他者を自分と同じように感情を持つ人間であると認められない人のことを言います。

2パターンいます。1つは、尊大で傲慢なタイプ。もう1つは、他者からの評価にオドオドしているタイプです。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自己愛が強すぎて、自己イメージが膨らみ、現実とのギャップに苦しみます。それが、周囲との摩擦や心の病を引き起こします。

心理状態

自己愛性パーソナリティ障害の人が描く、自己像は二極分化しています。一つは理想の自分、もう1つは無能で全く取り柄のない自分です。

実際に、理想の自分を得られるだけの能力があれば、本人は病に苦しまないことがありますが、年齢を経て、能力が衰えると、顕在化する傾向にあります。

彼らは、バカにされると一番腹が立ちます。他人は常に比較の対象であり、他人より上か下かということを気にします。また、他人を理想化して、勝手に幻滅することがあります。彼らは他人を見下しますが、それは見下される立場になることを避けようとして生まれる行動です。

彼らは不健康な自己愛をいただいています。誇大で現実離れした自己イメージを持ち、人との関わり方が自己中心的です。また、特別扱いされることを当然視します。加えて、他者への共感性に欠けているという特徴があります。

社会の変化に伴って、患者数は増えています。「努力より結果が大事」、「利益が上がればそれで良い」といった自己中心的な価値観や、競争社会であることが、他者への思いやりを失わせ、「勝者」としての自己を多くの人が好むようになるからです。

治療法

パーソナリティ障害は、何か具体的な問題をきっかけに発覚することが多いです。夫婦の不和、自傷行為、ひきこもりなどです。

治療法には、個人に対して行われるものと、集団に対して行われるものがあります。個人に対しては、精神分析的精神療法、支持的精神療法で、自分を理解してもらうもの、認知療法で認知の歪みに焦点をあてるなどがあります。集団に対しては、家族療法で家族全員に対して行われたり、集団精神療法で、患者同士が話し合うという治療法もあります。

いずれも、「安定した自己」を得ることが治療の目標です。

できること・してはいけないこと

患者自身ができることは、結果を急がずに、気長に自分自身と向き合うことです。パーソナリティは、1日で急に変わるものではありません。日々の努力を着実に行いましょう。

家族ができることについて。まずは、治療の協力者という立場を保ちましょう。家族全員が、家族のあり方を見直したり、お互いの人生を尊重し合うことが大切です。

また、家族の機能・役割を見直すことも大切です。負担を誰かが引き受けるのではなく、家族全員で問題意識を共有することがスタートです。意見の食い違いを恐れる必要はなく、お互いの意見を言い合い、聴き合いましょう。

そして、批判や説教ではなく、共感からスタートすることが大切です。身勝手に見えても、患者自身が苦しんでいます。問題行動自体への指摘は必要ですが、彼らの良い面にも、目を向け、存在そのものを否定せず、「ほどよい温かさ」で対応します。

困ったら、精神保健福祉センターやカウンセリングなど、他の方に相談することもできます。

患者以外の以外の家族が受診する事にも意味があります。本人も「自分も行ってみようかな」となることがあります。

カンパマンのまとめ

自己愛性パーソナリティ障害の人は、一言で言うと、二つの課題がある。1つは、他者の感情(の存在)を想像できないこと、もう1つは肥大化した自己イメージ・自己愛である。

これらによって、彼らの現実の認識は歪み、他者に対しては威圧的になり、「すごい自分」を本人に課すために、常に焦りがつきまとい、他者には特別視を求めます。

根本的な解決方法は、本人が自己について認識し、認知を修正していくこと。1日でうまくいくことはなく、しばらくの間継続的な努力が必要です。

家族としては、治療の協力者という立場を大切にしつつ、本人と一緒に問題を解決していくことが大切です。まず、家族全員が問題意識を共有します。その上で、本人を一方的に説教・批判するのではなく、共感を示し、尊重しながら、時間をかけて一緒に問題を解決していくことが必要です。

カウンセリングや産業医など、相談先はあるので、そこに相談するのも一つの手です。



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