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能登半島地震で思うこと

能登半島で被災された方にはお見舞い申し上げます。

私に何が出来るかと言ったら、コンビニに設置された義援金に、わずかながらのお釣りの一部を入れる位になるかも知れませんが、この機会に、私自身の被災経験を書き、読んだ方に何らかのヒントになれば良いなと思いキーボードを打っています。

私自身、一度被災を経験しています。令和元年房総台風(台風15号)4年半前の事です。

自然ガイドをしていたこの森が
こんなになってしまいました、全く同じ場所、同じアングルです

鹿野山での自然体験は全く行えなくなり、借りていた土地も地主さんの意向で使えない事になりました。

借りていたキャンプ場の土地

自然学校でありながら、自然の猛威になすすべもなく、自然学校の事業は中断せざるを得なくなりました。

自分の土地ならクラウドファンディングなどで支援を募り、復旧・復興するという手もありますが、地主さんの意向ではどうにもなりません。

さすがの私も、未来が見えずに絶望しました。

さて、ここから4年後「さすが自然学校の校長だね」「足るを知るビジネスって、こういう事なんだね」と、周囲にちやほやされることになるとは、その時は思いもしませんでした、自分でも無自覚に自然に寄り添った生き方をしていたようで、それが困難を乗り越える妙案になったようです。

2010年4月に起業した私は、2019年9月9日までの9年半、銀行借り入れを起こした事がありませんでした、9年連続黒字でしたが、世の中オリンピック前で空前の好景気、それでも私は身の丈で経営を続け、キャンプ場の土地を買いたいとか、有名アウトドアメーカーの機材を揃えたいなどと言った誘惑に負けることなく、融資を受けてまでの過剰投資を行いませんでした。

自然相手の仕事だから、想定外の何かが起こったら、自営業を中断して勤めに出よう、常にそう思っていたのです。

そして、本当にその場面がやってきました。

直ぐに自然学校を休業し、幸い、県立公園の所長職を得ることが出来て勤めに出る事になり、こんな時に慌ててもしょうがないと、休みの日は障がい者福祉施設にボランティアでオカリナを吹きに行ったりしていました。

横浜の障がい者NPOぷかぷかさんでオカリナコンサート

その後、県立公園を辞め老舗旅館に入社、グランピング施設開発などを担当し、コロナも収まり、ようやく自然学校の仕事を再開させつつあります。

自分のフィールドが無くなった今は星空観察プランだけを鹿野山に残し(鹿野山は関東有数の星空観察スポットです)他は全部出向や出張です、基本、山におりません。

これが様々な企業や団体さんと連携して楽しい、他の事業者さんのフィールドを使った借り物競争です、いろんな場所でアウトドア事業やウェルネス、リトリート事業をプロデュースして行った方が性に合っていると気づきました。

気が付けば、台風もコロナも乗り越えていました。いろんな提携先が増えて、今までになくパワーアップした姿で、です。

アウトドア事業のプロデュースで協業しているANKER&ZIMMRさん

上手く言えませんが、足るを知ると言いますか、自然も世の中も何が起こるか分かりませんから過剰投資を避け、起こった出来事に水が流れるように自然に対応して行けば、道は開けやすいかも知れません。

自分が水だと思い、水が壁に突き当たったら、無理に押さず、壁に沿って流れて行く、そのうち意外な水の通り道に気づき、気が付けば壁の向こう側に出ていた、例えるならそんな感覚です。

つまりは、自然は変化するものだという想定外はあるものだという前提で構えておき、本当に起こってしまったら全ての執着を手放し、水のように柔軟に形を変えて対応する(水にこのような形になりたいという意思はないはずです、だからどのような器にも形を変えて収まります)

人も自然の一部ですから、向こうも変化するし、こちらも合わせて変化して行く、それが自然の摂理と理解し、自然に沿って生きれば困難も乗り越えやすい、良くないのは執着、自分自身の変化を拒む心だと思います。

万人に当てはまる話では無いかも知れませんが、自然に寄り添って生きる自然学校校長の独り言だと思って、何かのヒントになれば幸いです。


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