17分まで合格だと思った26回試験-キャリコン2級受検記録Vol.20

そんな中、26回の試験日がやってきました。

待合室ではあまり緊張しませんでした。

が、しかし、試験室の前まで案内されると

緊張が襲ってきました。

深呼吸もしましたし

部屋の四隅を見たり

まあ、「こうすると緊張が緩和されますよ」と

キャリコンの先生方がいいそうなことはだいたいやりました。

それでも、心拍数が上がるのは止められませんでした。

入室の合図があり、ノックを3回。

部屋に入ると男女の試験官の方がいらっしゃいました。

相談者役は、見たらすぐわかる年齢、性別の方です。

笑顔で挨拶をし、来談目的を伺います。

ほぼほぼ、淀みなく、受検票のケース説明に書いてある内容を

おっしゃいました。

ここで私は焦りました。

「時計が読めない」ということに気づいたのです。

20分先がわからない。

そう。試験室の時計は、針の時計です。

しかも、中途半端な時間から始まっている。

13分とかだったと思います。それが33分だというのが

パッとわからなかったのです。

普段デジタルで見ている私には、針がうまく読めませんでした。

緊張して、しかも、最初の長い長い来談目的を聞き漏らさないようにし

時計の針を計算する。

これは無理だ、と思い、私は来談目的を聴くことに集中しました。

ケースそのままを言ってくるとなれば、第一応答は

それほど難しくありません。

出来事が起こったときの気持ちや認知を聴いていきます。

7-8分聴いて、主訴をまとめます。違和感がないか、ほかにないかを

確認しました。課題もまとめて合意してもらえました。

気持ちも忌憚なく話してくれて

こんなにスムーズにいくのか。と思うほどでした。

そこから、これまでの仕事ぶりについてお聴きします。

相談者のこれまでの仕事ぶりが目に浮かぶような話しぶり。

身振り手振りを交えながら語ってくれました。

「自分の仕事に誇らしい気持ちになる」

「チームをまとめながら、仕事を成し遂げていくことにやりがいを感じる」

受検者が泣いて喜びそうなパンチラインが続出します。

話せば話すほど、相談者の顔を明るくなりました。

さあ、ここからがクロージングです。

2つのクロージングですごく悩みました。

1:やや強引だが、ポジティブにまとめる

「○○さんは、チームワークにやりがいを感じてきたとおっしゃっていまし

たが、新しいところでもチームを率いてほしい、と言われてることは

つながらないでしょうか。そのへんを一緒に考えてみませんか」

2:ボールを相手に渡す

「ここまで、今回ご相談にきた異動のお話とこれまでのお仕事で大切に

されてきたことをお伺いしました。話してみて、今どう思われますか」

悩みに悩んだ末、私は1を選択しました。

なぜなら、時間がわからなかったからです。

時計が読めていないまま、相談者にボールを投げて、目標設定まで

辿り着けなかったら、どうしよう。

その思いから、「自分でポジティブにまとめる」を選択してしまいました。

これは、メインの対策講座の先生のアドバイスでもありました。

「ポジティブな話になったところで、まとめることで自己効力をあげて面談

を終わりなさい」

そう言われたのです。

一方で、別の先生には

「ここまで話してどうでしたか」

と相談者にボールを渡してしまうのが自発的な目的に繋がる

とも言われました。

でも、1を選びました。多少強引でも

いままでやってきたことを信じる方が合格に近い

と感じたからです。

「今、○○さんは、チームワークをやりがいにしてきた、とおっしゃってい

ましたが、それは、今回の異動の時に言われた「チームをまとめてほしい」

とつながりませんか。そのへん一緒に考えてみませんか」

と言ってみました。

「はい」

相談者は笑顔で答えましたが、次の瞬間、顔色が曇ったのです。

「実は、お話してなかったのですが、もうひとつ気になっていること

がありまして」

というのが始まりました。

残り3分くらいなのに。。。

私の頭は真っ白になりました。

「なんだよ、これ。前半でほかに話はないか、確認してるのに」

そこで語られたことは、たしかに選択を考える時、

重要なファクターでした。

しかも、直近の決断ではなく、中長期に影響する話でした。

そこからの面談はあまり覚えていません。

今、これを言われたら、合格しようがない。という感じの事柄でした。

残り3分では整理もできない。

聴くしかない。聴いたら、目標は設定できない。

こんな後出しジャンケンあるんだ。

絶望しながらも、その条件についてどう思うのか

その条件についての不安点がわかるにはどうしたらいいのか

など問いかけました。

しかし、相談者の口は重くなるばかり。

さっきまであんなに楽しそうに語っていたのが嘘のようです。

結局、「次、こんな話をしませんか」という私の提案に

うつむいたまま「はい」と答えて終わりました。

「何かありますか」と聴いても

「特にありません」と答えるだけ。

そこで面談は終わりました。

こうなると辛いのは口頭試問です。

しかし、基本的態度を考えれば

できなかったことを正直に答えなければなりません。

ただ、唐突に別の話がでてきたことは、アクシデントのようにも

感じています。未消化の話を相談者のせいにせず、自分のミスであることを

伝えることがしんどかったです。

さらに辛かったのは、試験官の方が、はんこを押していたことでした。

「私が喋ってるのに、はんこを押すんだ」

事情はあったでしょうし、一概にこういう理屈があってるとも思いませんが

その瞬間は、残念さを感じました。

でも、ただひとつ。いいことがありました。

「どう考えても、落ちた。今日から次の試験の対策をしよう」

と思えたことでした。

残り3分からのまさかの発言。

こんなこともあります。

ちなみに合格発表後、お話しした、同じケースの他の方数名は

この「まさかの発言」が来談目的ででてきた、ということでした。

なんで、自分だけ。。。

なんで、あそこで。。。

こんな思いを抱えながら、27回試験に向けての日々が始まりました。





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