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【読書メモ】顧客基点マーケティング

読書の目的とまとめ

目的:よく耳にするN1分析について理解したい。

まとめ:N1分析を用いることで顧客を深く理解し、最大公約数的な平凡なアイデアではない刺さるアイデアを生み出す手段になりうる。

学んだこと

プロダクトアイデアとコミュニケーションアイデア

マーケティングにおけるアイデアは便益独自性のどちらも保有しているもの。また、このアイデアはプロダクトアイデアコミュニケーションアイデアに分けられる。
プロダクトアイデアは、サービスの機能や特徴が顧客にとって便益を感じてもらい、かつ独自性を持っていることが理想である。例えばギザギザのポテトチップスは食感に好影響を及ぼし「便益=独自性」となるが星形のポテトチップスは独自性に富んでいても便益にはなり得ない。
コミュニケーションアイデアは、プロダクトアイデアを顧客に伝えて購買してもらうためのアイデアである。広告やテレビCMなどで独自性を出しつつもプロダクトアイデアの便益を表現する必要がある。
コミュニケーションアイデアはプロダクトアイデアありきで考えられる。


実在する一人の顧客を徹底的に分析する

上記のアイデアを生み出すには、実在する一人の顧客を徹底的に分析(N1分析)することが求められる。
N1分析では、例えば5人の被験者の平均的な行動をまとめるのではなく5人それぞれの行動を分析する。そしてそれぞれの5人が本当に便益を感じて使ってもらえるようなアイデアを考案していく。このアイデアを昇華したコンセプト評価は母数を増やし定量的に効果を検証する。

一人の顧客がなぜロイヤル顧客になったか、どんなきっかけがあったのかを深く理解し、まだロイヤルでない顧客に提示することでロイヤル化を促す。


顧客ピラミッドと5つの戦略

サービスの認知や利用頻度、購買経験からセグメントを分類した顧客ピラミッドというフレームワークがある。顧客ピラミッドは以下の5種類に分類される。

・ロイヤル顧客(認知あり/購買頻度高)
・一般顧客(認知あり/購買頻度低)
・離反顧客(認知あり/購買経験あり/現在購買なし)
・認知/未購買顧客(認知あり/購買経験なし)
・未認知顧客(認知なし)

それぞれの顧客層に対して以下の施策が考えられる。

1. ロイヤル顧客のスーパーロイヤル化
2. 一般顧客のロイヤル化
3. 離反顧客の復帰
4. 認知/未購買顧客の顧客化
5. 未認知顧客の顧客化

一般的に、上記の数字が小さい戦略ほど利益率が高まるがニッチ化するリスクがある。数字が大きい戦略ほど短期化間で規模拡大できるが顧客獲得コストが高くなる。


購買頻度とブランド選好は異なる

購買頻度が高くてもブランド選好も高いとは限らない。競合と比較して次回も買いたいと思っている顧客こそが真のロイヤル顧客である。例えば、近くに1つのスーパーがしかなかったら購買頻度は必然的に高くなるが徒歩圏内に新たなスーパーが建ったら流れてしまうかもしれない。ただし便益と独自性が刺さっている顧客(真のロイヤル顧客)であればそのまま今までのスーパーを使うはずである。


ネクストアクション

ペルソナ手法などによってユーザーを平均化することでアイデアが平凡になってしまうリスクがあることを把握して上でペルソナを用いたい。特にすでに顧客がいて、PMFを目指すフェーズではロイヤル顧客のN1分析がPMFへの近道になりうるので顧客一人一人を深堀るマインドを持っていたい。

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