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逍遥游

JY 美術家、物理学博士 逍遥游 JYは≪豹≫が好きだと言う。 ≪美しさと危険の匂い、官能性と気品という両極の魅力を一身に宿す豹に惹かれる≫と。 実際JYは≪豹≫を描きそのリアリティーに触れる私達にとって作品を観るという行為自体が非常にスリリングな経験となる。 JYは豹をどこから観ているのか? JYという作家の眼差しを通して≪豹≫を目撃するという事はそのままJYの内的世界への参入となる。 かくして私たち鑑賞者は目の前の作品を通してかつて踏み入れたことのない世界へとい

      • 残滓の思いはない

        綾田勝義(敬称略) 美術家 行者 残滓の思いはない 綾田は極寒の季節に(1月6日から4月15日まで)1日たりとも休むことが許されない 100日間の滝行を終えている。 そこには命がけで修験道を究めようとする綾田の覚悟が見える。 凍てつく季節に早朝5時から開始される滝行は想像を越える。 高熱を出して肉体が悲鳴を上げても点滴を打ちながら続行される滝行。 そこまで美術家である綾田を突き動かすものは何なのであろうか。 修験者としての綾田と日本画家としての綾田は矛盾なく共存している

        • 山田

          山田 武道家 (免許皆伝師範) タイトル ~伝統の礎となり後世に繋ぐ~ 山田は古武道を修練して50年、室町時代から伝わる流派の免許皆伝師範の腕を持つ。 《伝統の礎となり後世にその技を伝えていくことが今の私のなすべきことだと感じている。》 《古武道を日々鍛練しているうちに自然にそういう気持ちが養われてきたのです》 《何故と聞かれてもわからない。》 山田は、核心に迫ろうとすると何度もこう返す。 言葉で説明してもらおうとする無粋な筆者の意図は簡単にかわされ、その沈黙の瞬