戸籍から読む小説〜父方のルーツ其の壱〜

 自分の戸籍を見たことはあるだろうか。そこには自分の氏名、父母、出生地、出生届の届出日、婚姻日等記載されている。そこから戸籍に書かれている「従前戸籍」というものを遡っていくと、自分の直系親族がすべて探し出せるようになっている。

今回は父方の直系尊属を遡った話である。

 まずは自分の戸籍謄本(2022年現在はすべての市区町村がコンピュータによって戸籍をデータベース化しており、戸籍全部事項証明書という)を取得。本籍地は大阪府大阪市のため郵送で請求。大阪市の戸籍郵送請求は北区役所で一括しているので、そこへ請求した。

 自分の戸籍を見ると、上から順に、

  • 本籍

  • 筆頭者氏名

  • 戸籍事項(いつこの戸籍が作られたか等)

  • 筆頭者 父

  • 配偶者 母

  • 自分

と記載されていた。
自分の父母の名前くらい誰でもわかるだろうと思われるかもしれないが、案外世界は拾い。見知らぬ兄弟がいたり、親に前婚があったことが戸籍を見て初めて気づく人もいる。

 最初に戸籍事項を見る。戸籍事項には編製事由、編製日が記載される。例えば父母が婚姻によってつくった戸籍なら、婚姻日又は婚姻届が役所に送付された日が編製日となる。転籍(戸籍の場所を変える)をした場合は、転籍届出日又は送付日が編製日になる。例えば、京都市西京区に婚姻届を出し、夫婦の新戸籍を大阪市西区にした場合、婚姻日:京都市西京区に提出した日、送付日:京都市西京区から婚姻届が大阪市西区に送られ到達した日となる。
 婚姻により本戸籍編成、編成日=婚姻日又は送付日のときは次に遡るのは婚姻前の戸籍となる。戸籍事項に従前戸籍がある場合、一つ前の戸籍はその戸籍となる。
 今回は婚姻日と編成日が同じだったため、父母夫婦の戸籍はこれが最初ということになる。

 次に、父母のそれぞれの身分事項を見ていく。父と母は婚姻前は当然、それぞれの父母の戸籍にいた。その父母の戸籍は「従前戸籍」に書かれている。父の従前も同じ本籍だが、筆頭者の氏名は祖父。この場合はまた別に請求する必要がある。

 ここで最も効率的な戸籍郵送請求の仕方を説明しよう。ここからは同じ市区町村にある直系の戸籍を一括請求していく。
まず今回のように祖父の筆頭者の戸籍がわかっている場合、この祖父の戸籍を請求用紙に記載する。次に使い道、請求事由の欄に「家系図作成のため、御庁で取得できるものすべて請求する」「親族調査のため直系親族すべての戸籍を請求する」のいづれかの文言を加える。これにより、漏れなく直系を辿ることができる。(実際の戸籍担当者としてもこの理由を書いてあると請求者に確認がいらず助かる)本来戸籍の請求は、請求する戸籍の表示・筆頭者を明らかにして請求しなければならない。そのため、請求用紙一枚に一つの戸籍の情報しか書かれてない場合、その戸籍しか交付できない。しかし、郵送請求においては、この文言を加えることで、一括して取得できる。(逐一請求用紙を送ってもらうことは現実的ではないため)

先の方法で
大阪府大阪市
京都府京都市
兵庫県洲本市
兵庫県丹波篠山市
香川県高松市島根県雲南市
に請求した。
戸籍が一通り手に入ったところで、ここからそれぞれの親族の暮らしや人生を調査推測していく。

〜其の弐に続く


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