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がんとアロマ〜小児病棟で人気のオレンジスィート〜

今日の記事は、以前関わらせていただいた患者さんの許可を得て掲載させていただきます。



子供たちに人気の香り

7年ぐらい前になると思います。

がん患者さんのケアを盛んにさせてもらっていた頃、
その活動に共感いただいた、小児がんの子を持つお母さんから、
メールを頂き、病院を慰問してました。

小児病棟で人気の香りはオレンジスィート。

甘〜く美味しい香りのオレンジスィートは、
心を落ち着け、優しい気持ちにさせてくれます。
元来、エネルギッシュなはずの子供たちが、毎日病棟の中で、
ずっと天井ばかりを見て過ごす子もいるわけです。

3歳の女の子

依頼があったのは、3歳の女の子のお母さん。

私が伺ったときには、食事もままならず、栄養は点滴で。

基本的にターミナルになると食事の制限がなくなるというか、
好きなものを、食べたいものを食べさせてあげて下さい、となるケースが多いです。

優しい香りのするオレンジスィートで、ハンドマッサージをしました。
というか、お母さんができるようにお教えしました。

もちろん、女の子にとってもオレンジは大好きな香り。

私が帰ってから、『何か食べたい』という要求があったので、
お母さんが大好きなメロンを食べさせてあげた、との連絡をもらいました。

ひょっとして、食事に促されて便が出るかな?と思った私は、
お母さんに、ハンドマッサージで置いてきたオレンジの香りのオイルで、
『の』の字でお腹をマッサージしてあげて下さいと伝えました。
すると、便も出たようです。


いよいよ旅立ちのとき

いよいよ女の子の旅立ちの時がきました。
自分のタイミングで逝くんですよね。

その時、お父さんとお母さんと4つ上のお姉ちゃんと、
大好きなオレンジの香りで手や足をマッサージして送ったそうです。

ちょうど死期のひと月ぐらい前になると、痛みが強くなります。
アロマの心地よいマッサージは、触れることによるオキシトシン効果もあって、痛みの緩和に繋がるケースもあります。


グリーフケア

最後の最後までやってあげることがあった、と思うことは、
遺された家族にとっては意味があり、
後のご家族のグリーフケアに繋がります。

今、私はがん患者会と、三重大学病院のリボンズハウスでがん患者さんと関わらせてもらっていますが、
どちらも患者さん本人のみならずご家族様も参加してもらえます。
家族として、やってやれることがない、どうすればいいか分からないという声が起こります。

アロマの心地よい香りは、患者さんはもちろんのこと、
ケアするご家族さまの心にも届き、落ち着きと安寧をもたらします。
香りの効果は絶大で、特にタッチケア、トリートメント(施術)で有効だと感じます。

もし、ご家族として最期の関わりに悩んでらっしゃる方が、
アロマテラピーでのケアにご興味おありの方がおられましたらお問い合わせくださいませ。

世の中は当事者にならないことには見えない世界だらけ。 4人の子育てを通じて、子育て環境や女性の生きにくさ、仕事との両立の難しさなど、経験してきたからこそできる社会問題の解決に日々奮闘中!ともに闘ってくれる人を募集しています!!