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素敵なステーキ

サーロインステーキの「サー」とはイギリスの栄誉称号です。

その昔、イングランド王ヘンリー8世が食べたステーキがあまりにおいしいので「サー」を与えたと言い伝えられています。

ヘンリー8世は名君と称される一方で暴君ともいわれています。

晩年は過食のため肥満に悩んでいたそうです。まさか毎日サーロインステーキを食べていたわけでもないと思いますが。

サーロインよりもさらに質が高いのがテンダーロインです。脂肪が少なくて柔らかく牛肉の中でも最上質とされています。

中でもシャトーブリアンステーキはテンダーロインの中心部分をさらに選り分けた最高級のステーキです。

フランスの政治家であり作家でもあったシャトーブリアンが好んで食べたことから名づけられました。

シャトーブリアンは美食家としても知られています。彼はシャトーブリアン以外のステーキは食べなかったともいわれています。

また、日本以外ではあまり知られていませんが、シャリアピンステーキという日本独自のステーキがあります。

シャリアピンは牛肉の部位を表わす名称ではありません。ステーキの料理方法の一つです。

ロシア出身のオペラ歌手シャリアピンに因んで名づけられました。シャリアピンはオペラ公演のため1936年に来日しました。

ところが日本に滞在中は歯が痛くて硬い肉が食べられなかったそうです。そこで帝国ホテルのシェフが彼のために柔らかいステーキを考案しました。

ステーキを焼く前にたっぷりの玉ネギのみじん切りに肉を漬け込む方法です。そうすることによって玉ネギの酵素が肉を柔らかくしてくれます。

柔らかくなった牛肉をステーキにしてさらに炒めた玉ネギを添えます。このステーキをシャリアピンはすっかり気に入ってしまったそうです。

食べる人のことを思いやった素敵なステーキですね。


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