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フランス料理の神様

ジョエル・ロブション氏が亡くなって早くも3年が経ちます。

神様と謳われたフランス料理界の巨匠です。
輝かしい経歴を持つ鬼才でした。

史上最年少でフランス最優秀職人賞を受賞したことはあまりにも有名です。
弱冠30歳のときです。

1981年にはパリのレストラン「ジャマン」を先代のレーモン・ジャマン氏から引き継ぎました。

そして1984年には最高の栄誉であるミシュランの三つ星を獲得しました。
弱冠39歳のときです。

その年パリにわずか四軒しかない三つ星レストランのうちの一つです。
もちろん最年少のオーナーシェフです。

ジョエル・ロブション氏が登場した頃のフランス料理界は、ちょうどヌーヴェル・キュイジーヌの反動の時代でした。

斬新な料理法で一世を風靡したヌーヴェル・キュイジーヌに対して、やはり伝統的なフランス料理の味を求める声が高まりました。

ジョエル・ロブション氏は両者の良いところを継承して融合しつつ、創造性豊かな料理を次々と発表します。

私が最初に出会った彼の料理は「赤ピーマンのバヴァロア」です。
もちろん本人が作った料理を食べたわけではありません。

ある料理の本の中で出会いました。
そして感動しました。

赤ピーマンというありふれた素材が芸術品に仕上がっていました。
まさに奇跡のような料理法でした。

それ以来ジョエル・ロブション氏に関するあらゆる書籍を集めて彼のレシピを研究しました。

料理に関してはるかに及ばないことは初めから承知していますが、彼から多くの教訓を学ぶことができました。

それは、料理には人を感動させる力があるということです。
人に喜びを与えたり勇気づけたり幸せにできる力があるということです。

これまでどれほど多くの人がジョエル・ロブション氏の料理から感動を得てきたでしょうか。
どれほど多くの人が歓喜や勇気や幸福を与えられてきたでしょうか。

それを考えると本当に偉大なシェフだったと思います。
改めて心からご冥福をお祈りいたします。


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