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自死遺族になってしまったあなたへ

【ご挨拶】

私も自死遺族です。

この度は本当に

心から心からお悔やみ申し上げます

突然の別れに
非常に強い悲しみ、怒り、様々な感情が沸き起こり
嵐の最中にいらっしゃる事と思います。

それでも
どうかどうかあなたは生きてください


もう一度言います。
あなたは生きてください

あなたを「今」大切に思ってくれている人を
どうか見失わないでください。


お願いです。

さらなる自死遺族が生まれないように耐えるのは
本当に苦しいです。

私も6年前に自死遺族になりましたが
今も乗り越えたとは思っていません。
それでも
「痛みとともに前を向いて歩いて行ける」
ようになりました。

【沸き起こる様々な感情】


愛する人を失った悲しみ
警察から犯人のように扱われる悲しみ
誰にも理解されない悲しみ
場合によっては嘘をつかなければならない悲しみ
自分に対する憤(いきどお)り
故人に対する憤り
周囲の人への憤り
世界への憤り
神への憤り

たくさんの感情が一気に押し寄せてくると思います。

でも

大きな岩が、長い年月をかけて、

川の流れに少しずつ角を削られ丸くなっていくように

あなたの割れてしまった心も、

長い年月をかけて少しずつ少しずつですが

時間が穏やかにしていってくれます。

中原 憬さんの暖かい珠玉の言葉をぜひ読んでほしいです。


中原 憬さん
「愛する人を亡くした人の為の100の言葉」


心に響く言葉がきっと見つかります。

私は彼の言葉をノートに書き写して何度も何度も読み返しました。

【悲しみの段階】

1.精神的打撃と麻痺状態
愛する人の死という衝撃により一時的に現実感覚が麻痺
2.否認
愛する人の死という事実を受け入れることが出来ない
3.パニック
事実を聞いてどうしていいか、なにをしたらいいのかわからない
4.怒りと不当惑
どうして、なぜ。あの人が、私たちが何か悪いことをしましたか
5.敵意とうらみ
なぜ、どうしてこんなに悲しい思いをしなければならないのか
6.罪悪感
こんなことになるのだったら、こうしてあげれば...と自分を責める
7.空想形成、幻想
亡くなった人がまだ生きているように思い込んで振舞ってしまう
8.孤独感と抑うつ
誰にも会えず、気持ちが落ち込み、孤独になってしまう
9.精神的混乱とアパシー(無関心)
無関心。生きる目標を見失い、なにもしたくなくなる
10.あきらめ、受容
愛する人が亡くなった事を現実に受け止めることができる
11.新しい希望、ユーモアと笑いの再発見
これまでいつも忘れることができなかった愛する人の死を、時々忘れている自分がいるのに気付き、罪悪感でできなかった笑いを取り戻すことができた
12.立ち直りの段階、新しいアイデンティティの誕生
愛する人との死別を受容し、その悲しみを抱えながらも、死別を体験する以前よりも人間的に成熟した人格として生まれ変わり、新たな人生を生きようとする
📖「現代のエスプリ 封印された死と自死遺族の社会的支援」(株)至文堂p.33より

悲しみには12段階あるそうです。

私は笑えるようになるまで3年かかりました。
6年経った今やっと12段階目まで来れたような気がします。

【私の経緯】

母を失う
眠れなくなり仕事を退職
心療内科で睡眠薬を処方される
幻覚幻聴に苦しむ
食べる事、買い物をすることに罪悪感を覚える
人生の様々な疑問について考える
癒してくれる曲を探す
楽器の教室に通い始める
色んな人に出会い答えを見つけていく
釣り堀でサメが釣れて笑顔が出る
睡眠薬の断薬に成功
仕事を始める
世間と自分のズレを感じて戸惑う
何気ない会話で傷つく
交通事故にあう
生きてる事への感謝
社会へ恩返しがしたいと思うようになる

まだ現在も自罰的な感情は多分にあります。

それでも本には書かれてない、
直接会って得た言葉が心に染み込んでいき
視界が開けていきました。


【人生の様々な疑問】

1.なぜ人はいつか離別か死別で絶対に別れる日がくるのに人を愛さずにはいられないのか?
2.いつか死ぬのに何のために勉強するのか?
3.なぜ宗教は人を救えないのか?
4.自分の子供に私の母の自死を伝えるべきなのか?

私はこれらの疑問を本を読んだり、色んな人に会って話す中で、
答えを見つけてきました。


もし同じ疑問をあなたが抱いたのなら
私なりの答えとして読んでいただければ幸いです。

1.なぜ愛するの?
死別直後は愛が深ければ深いほど、とてつもなく苦しいです。

でも時間が経って穏やかな気持ちで思い返せるようになると、

愛する人と過ごした分だけ暖かい気持ちになれるものが増えます。

思い出の物、場所、曲、色んな物が
あなたの何気ない日常を彩り人生の深みが増すのだと思います。

あぁ…あの人と一緒にこの曲を聴いたな…
と笑顔で暖かい涙が流れる日がきます。

思い返す思い出が少ない人生は寂しいです。

2.何のために勉強するの?
人間は1人では生きていけません
見えない繋がりで生かされています。

お米を育ててくれる人や、家を建ててくれる人、色んな目には見えない沢山の人達の手があって生きています。

その繋がりの中の1人として
学んだ事は仲間の幸せのために生かしていくもの
と教わりました。

3.なぜ宗教は人を救えないの?
これはキリスト教の牧師家系の90歳のおばあ様に質問した所、
さらっとこう答えてくださいました。

「あら、それはそうよ。宗教にハマると世界で一番大切な家族をないがしろにするんだもの」



4.子どもに祖母の自死を伝えるべきなのか?

出来るなら子どもには隠しておきたい
けれど誰かに不意打ちで聞かされて悲しませるのも嫌だ
と思って苦しんでいました。

これは一流のカウンセリングの先生からカウンセリングを受けて答えを得る事ができました。

あなた自身が親の自死を乗り越えているなら
子どもも親の姿をみて乗り越えられますよ


【やってきたこと】

日向ぼっこ
散歩
ブログで吐き出す
お坊さんに手紙を書く
自死の本、哲学書、宗教書を読みあさる
写経
絵を描く
楽器を弾く
神社仏閣を御朱印帳を持ってめぐる
近所のお寺の早朝のお勤めに参加
パワーストーンブレスレットを作る
お香

など、もがいて来ました。
今となってはその日々を抱きしめてあげたくなります。

過去の私、よく生きててくれたね…と。


【まとめ】

・あなたは生きてください

・痛みとともに前を歩いていけます

・中原さんの「愛する人を失ったあなたへ100の言葉」をぜひ読んでください

あなたの体験が、また別の誰かの傷を癒せる時が
必ず来ます。
あなたは尊い存在です。

※一個人の体験として記事を書きました。6年前の自分に語りかけるつもりで書き始めました。とても繊細なテーマのためコメントを頂いてもお応えできかねます。

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