感情

彼女は一人にならなければならない
彼女は外の世界を遮断しなければならない
彼女の目に映る外の世界は狂気に満ちている
見る側の精神が混濁しているからなのだろう
それに気づいてしまった彼女は
立ち止まる事しか出来ない
無数に広がる空や星を見ていても
彼女は自分がちっぽけに感じるだけだった

彼女自身でさえ彼女がわからなかった
漠然と広がる不安から抜け出せずにいた
望むものが一つあるとしたならば
彼女は感情を消したかった

嬉しみも喜びも悲しみも怒りも
その全てが彼女だった

彼女は彼女をもっと知る必要があった
彼女は彼女をもっと認める必要があった
彼女は彼女をもっと信じる必要があった
彼女は彼女をもっと許す必要があった
彼女は彼女をもっと愛す必要があった


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