400字で分かる落語

「あ」の落語第10席:青空お婆さん(あおぞらおばあさん)
【粗筋】 秋男が婚約者の春子の家に来るが、70歳過ぎたお婆ちゃんのペースに巻き込まれて行く。お婆ちゃんは音楽が好き、ベルリン・シーハーモニーにはまっている。秋男はクラシックは分からない。外国の歌は「青空」くらいだと言うので、お婆ちゃんは私も知っていますよと歌い出す。秋男は逃げ出すわけにも行かず、春子は泣き出す。母親が呆れて止めに行くが、その止める声も蔦につられてしまう。
「♪ウンチャウンチャ、お婆ちゃん、ウンチャウンチャ、あきれたわ、驚くありさま……情けない人こそ、私の……トホホホ……母親」
【成立】 有崎勉(柳家金語楼)が古今亭今輔(4)のために書いた創作落語。
【一言】 「相変わらずのお婆さん専門で」と挨拶するほどで、その作品は40編ほど。歌はドナルドソンの作曲、堀内恵三の訳で昭和3(1926)年に藤原歌劇団の二村定一の歌で売れ、戦後はディック・ミネが「私の青空」という題で再ヒットさせた。

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