見出し画像

400字で分かる落語:「天野屋利兵衛」

83:天野屋利兵衛(あまのやりへえ)
【粗筋】 天野屋利兵衛、大石内蔵之助が遊ぶ祇園の一力茶屋へ打ち合わせに行くと、蔵人之助は酔って寝ている。利兵衛が揺り起こすと、何を勘違いしたか、利兵衛の手を取って夜具の中へ引き入れようとする。利兵衛あわてて、「天野屋利兵衛は男でござる」
【成立】 芝居の名を取って「天川屋義兵衛(天河・儀・義平)」とも。歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』10段目「天川屋殺しの段」、講談や浪曲でもお馴染み、赤穂浪士の武器調達をして役人に責められるが口を割らなかったという場面の名台詞が落ち。
 東大の資料にある形で本文を書いたが、林家彦六(正蔵8)は次のように一席にしている。
 蔵人之助が利兵衛の女房に横恋慕、酔って無理に口説くと、女房は夜中に寝所へ来るようにと答える。女房は夫に酒を飲ませて酔いつぶすと、自分の布団に寝かせておく。夜中に蔵人之助が忍んで来て、布団に入って抱き付くと、はっと目を覚まして、「天野屋利兵衛は男でござる」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?