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400字で分かる落語:「アパート会議」

67:アパート会議(あぱあとかいぎ)
【粗筋】 アパートの管理人が入院、住人の中から代わりをやってもらおうということで、会議が開かれた。
「玄関は物騒です。簡単に鍵を外して入れます。家内は寝て来て気付かなくて……」
「泥棒が入りましたか」
「いえ、私が飲み会で遅くなって……」
「番犬を飼いましょう。アパートでセパードはどうです」
「火事が怖いです。隣の失火でも本人が入っていないと保険は出ません。私の会社で加入していただいて……」
「管理人代わりは、気遣いのある、物事の運びが上手に出来る人がいいでしょう」
「それなら、斎藤さんが適任でしょう」
「斎藤さんですか、お仕事は何を」
「運送会社です」
「なるほど、ことの運びもうまいわけだ」
【成立】 昔々亭桃太郎(1)の創作落語。昭和39(1964)年の作品。桃太郎は柳家金語楼の弟。今の桃太郎師匠は、鬼ヶ島へ行ったのが初代だから3代目だと仰っているが、資料に従って2代目ということにさせていただく。

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