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400字で分かる落語:「悪夢のセールスマン」2

32:悪夢のセールスマン(あくむのせえるすまん):全2回の2
【一言】 北条政子が妹の夢を買ったのは、『曽我物語』巻2の「時政が女の事」から「橘の事」にかけて記されている。
 1160年、源頼朝は伊豆へ流されて20年を過ごす。ここで後ろ盾となったのが北条氏。北条時頼には3人の娘がいて、先妻の子だった政子は、三女の見た夢を買い取り、頼朝の妻となる。頼朝の死後は子供を亡き者にして、源氏の血筋を断ち、権力を狙う父も追放、京から九条頼経を迎えると、「尼将軍」として実権を握る。
 『三国志記』巻6「新羅本紀」の「文武王前記」でも、姉の夢を買った妹が春秋公の妻となって文明皇后となり、文武王を産む。
 『沙石集』拾遺70では、友達から買った夢で貴人の思われ人となる。
 『夢買い長者』という民話が各地にある。友達の体に虻(地方によって蜂や蠅、蜘蛛その他)が寄っているのを見ると、黄金が隠されている夢を見たというので、夢を買って長者となる。二人で一緒に寝ると全部夢だったというものもある。

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