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400字で分かる落語「イキイキため息」

「い」の13:イキイキため息
【粗筋】 飲み屋でいつも見かける人、声を懸けると6時5分から45分間の時間指定で飲んでいると言う。イキイキした席が苦手でいつでも隅っこ。家でも会社でも同じで上司や同僚、女房の言う通りにしか動いていない。肴も自己主張の強い、魚の王様という目つき鯛や、皿からはみ出して格好つけている秋刀魚は嫌い。体から切り離されても寄り添って生きて行こうとするイカの足がいい。時間通りに店を出るが、家に帰ると家族とうまくいかず、いたたまれずにまた店に戻る。いつもの席に客がいるので、詰めてくれと頼む。
「飲み始めたら動きたくないんや」
「じゃあ、こっちでええわ……あんたも隅っこでないと落ち着かないんですね」
「いや、そんなことはおまへん。あんたの座ったそこに醤油がこぼれてましてん」
【成立】 桂文枝の創作落語、第42作目。1983年8月の作品。

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