400字で分かる落語

あの落語第4席:哀愁列車(あいしゅうれっしゃ)
【概要】 恋に破れた心を慰める旅は北に限る。男の前に美女が座り、車内のアナウンスで、「この列車は雪のため、この駅で運転を取りやめます」ってんで仕方なく二人で温泉宿の相部屋……想像していたが、前に座るのは親子で、しりとり歌合戦に巻き込まれる。次に来たのは失恋したオッサン。失恋を慰めるのに北へ向かうと言う。
「どちらまで」「お金がないので隣の駅まで」
このオッサンの失恋話を聞かされていい加減腹が立ってしょうがない。
 オッサンが隣駅で降りると、列車が動き出すのを見計らって悪態をつく。「オッサンが怒って追って来よった……列車に追い付けるか……あれ……急に速度が落ちたぞ」「この列車は雪のため、この駅で運転を取りやめます」
【成立】 小佐田定雄作、桂雀三郎が演じた。
【一言】 歌う噺家として名高い雀三郎だけに、歌は……ううん、ノーコメント。「焼肉食べ放題」がヒットしたが、亡き枝雀(2)の声も聴ける。

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