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400字で分かる落語:「あぶない理髪師」

69:あぶない理髪師(あぶないりはつし)
【粗筋】 愛想の悪い散髪屋で、顔剃りの間に夫婦喧嘩が始まり顔中傷だらけにされた。面白いからその店を見たいという連中が出掛けるが、自分がやられるのは嫌だから、何も知らない男を犠牲に選んで散髪に行かせる。かみさんは夫婦喧嘩をして出て行ったが、実家へ帰るのは遠すぎるので、憂さ晴らしにケーキを買って戻って来るというので、安心してやってもらう。期待通り、帰った女房は亭主の腕が悪いと言い、亭主は女房が動かないと怒鳴る。顔剃りをどちらがやるか、剃刀の奪い合いを目の前でやられて、客になった男は逃げ出す。「逃げたで」「夫婦喧嘩を売り物にしたら、ああして客がひっきりなしや」「良かったな、さ、一緒にケーキ食べよ」
【成立】 桂文枝の創作落語、119作目。これで本当に人気店になっとんのかいな。東京にも「不精床」、喧嘩を売り物にした「喧嘩長屋」があるが……上方ではこれで客が殺到するということなのだろう。

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