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400字で分かる落語「芋田楽」

105:芋田楽(いもでんがく)
【粗筋】 若い後家が娘に婿を迎えたが、自分も婿と関係してしまう。娘が奉行所に訴えると、「私が夫をもらったのを、娘が自分の夫と申して、はなはだ迷惑しております」
娘は、「父の遺言で連れ添ったのに、大人げない母を持って恥ずかしゅうございます」
 奉行も困って婿を呼び出した、「結婚したのは、母か、娘か、どちらじゃ」
「はい、そのことでしたら、どっちともなしに婿入りして参りました」
【成立】 これもバレ噺に分類されているようだ。
【一言】 「ふんだんにした癖が後家止まぬなり」「後家という字は後ろの家よ 前の空家は俺に貸せ」というくらいで、今迄定期的に行っていたものをピタリとやめられる筈がない。その上、男の目にも「後家の生酔いさせそうでさせそうで」と映るのだから、そうならない方がおかしいくらいのものである。くる日もくる日もこんな咄にかこまれて暮していると、法律も道徳も宗教もあれは間違いで、落語こそ人生の真実という気がしてくるから妙だ。(馬場雅夫)
【蘊蓄】
 入婿が、嫁の母親とも関係する行為を「芋田楽」という。親芋と子芋をともにくし刺しにするから。
  後の親を親とせず芋田楽
  おかしさは芋田楽で相ばらみ

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