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400字で分かる落語「一升酒」

「い」の63:一升酒(いっしょうざけ)
【粗筋】 酔って帰った亭主、女房にからんで、飲めないというのを「俺が言ってるんだから一杯くらい付き合え」と無理に飲ませると、女房すっかり出来上がって、「私が言ってるんだからもう一杯くらい飲ませろ」と逆に絡む。やっと寝かしつけると、大変な二日酔いで起きられない。「私もう一生酒は飲まないわ」と言うのを残して仕事に行き、心配して早く帰ると、迎えた女房はグデングデン。「二日酔いには迎え酒がいいと聞いて、昼から飲んでいたのよ」
「お前、今朝何と言った。もう一生酒は飲まないって言っただろう」
「何言ってるの。まだ五合(ごんごう)しか飲んでないわ」
【成立】 昭和40年代の末、雷門助六(8)が演じていた。落ちはもちろん、「一生酒は飲まない」の「一生」を酒の「一升(1.8リットル)」と結びつけたもの。
 同じように奥さんが酔ってしまう「妻の酒」という噺があるとのこと(ご存知の方はご教授下さい)。柳家金語楼の「酒」は酔っぱらうのは亭主だけで、同じ落ちになる。

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