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400字で分かる落語:「あとひき酒」

60:あとひき酒(あとひきざけ)
【粗筋】 飲み屋で愛想よく飲み始めた客、多くは飲めないと言いながら、酔いが回り始めると店の親父をからかうようになり、他の客がいなくなると、すっかり出来上がって店の悪口を並べる……看板になっても帰ろうとしないので、親父が「もうやめた方がええ」と言ったのに腹を立て、「お前は客の気持ちが分からん。看板ですが、もう一杯だけいかがでおます、と言うてみい。いや、もう飲み過ぎた、また来るわ……となるやろ」とてこでも動かない。親父も仕方なく、笑顔を作って「もう一杯いかがでおます」「ほな、一本もらうわ」
【成立】 東京落語の「ずっこけ」の前半を移植したもの。落ちは「替り目」にある。病気から復帰した笑福亭松鶴、口が回らず、こればかりを高座にかけた。見ていてちょっと悲しかった。松鶴については、倒れた後復活した記念の「三十石」のビデオをもらったが、これも悲しくて途中までで止めてしまい一度も最後まで見たことがない。

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