400字で分かる落語「いいえ」全2回の2
「い」の2:いいえ:その2
【解説】 上方の本では、「東京ではバレとして扱っているそうである」と紹介されている。上方では違うのかと疑問に思っていたら、一つだけ説明されていて、女房に聞くと娘をちらっと見て「はあ、いいえ」、娘に聞くと母親をちらっと見て「はあ、いいえ」、亭主に聞くと、とぼけた顔で「はあ、いいえ」と演じる心理劇で、東京よりはるかに面白いのだそうだ。女房の台詞に「おまえ様、さっきから尻をいたがっているけど」って完全な無駄もあり、東京のお尻を押さえるというだけで十分。
天明3(1783)年『間女畑』の「御比丘尼」が原作だが、描写がすごい。亭主は最初から襲う目的で比丘尼を家に連れて行くが、これが女装した男。部屋に入った途端に経験のない娘を無理やり「悦ぶ」までいたぶり、女房は亭主より大きな物を握らされて驚いたところを押さえ付けられ、「大汗かく」まで何度も何度も「付きのめされ」る。母娘共にどうなさったと尋ねられて「フフンフン」ととぼける。それから亭主が比丘尼を襲いに行くが、簡単に後ろを取られて……女房と娘に尋ねられて「フフンフン」
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