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400字で分かる落語「浮世床」1

「う」の13:浮世床(うきよどこ):その1
【粗筋】 昔の床屋・髪結床は、月代(さかやき)を剃ったりするので、数日に一度は行く。仲間が集まって色々遊ぶ場であり、情報交換の場であった。
A:将棋をしているが、二人とも王様がない。片方は「王手飛車取り」に飛車が逃げたので相手に王を取られている。もう一人は最初から褌に隠している。「キンに守られているからとられねえ」(将棋)
B:悪戯な奴が、将棋をしている二人の煙管を取って、吸い口同士、詰め口(火口)同士をつなげ、二人がくるくる回すのを見て笑う。「おい、手元を見ろよ。両方とも詰め口だ。そんなことをされて気付かねえとは……あっ、俺のは吸い口ばかりだ」(煙管回し)
C:字が読めないのに本を持っているから読めとねだる。立て板に水だと言いながら横板に餅で進まない。一尺八寸の大太刀が短いと苦情を入れると、「一尺八寸は刀の横幅なり」「おれじゃあ向こうが見えねえ」「三角四角の窓を開け、あら藤原さん酔ってらっしゃい」「矢で狙われたらどうする」「金網を張ってあるから大丈夫。いくさが暇なときはシャケを焼いて食う」(本)
D:寝ている男を起こすと女に攻められて疲れていると、のろけ話が始まる。芝居見物で知り合い、女の家で飲み過ぎて布団に入ると、女が脇に入って来て……「そこで起こしたのは誰だ」「夢かい。長い夢見やがった」(夢1)
E:「夢で一つくらい本当のことはないのか」「二階から小便をして絵を描いたが、猿股が濡れていて……」(夢2)
F:親方が静かにしてくれと言う。騒ぎに気を取られているうちに客が金を払わずに帰ったのだ。「あいつは畳屋の職人だ」「それで床を踏みに来たんだ」(畳屋)

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