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400字で分かる落語「居残り佐平治」1


「い」の89:居残り佐平次(いのこりさへいじ):その1
【粗筋】 品川の女郎屋で、友達を引き連れて贅沢三昧の挙句、居残りになった佐平次という男、幇間よろしく客を取り始める。酒の相手が出来、話が面白い、本物の幇間が客を取られて主人に泣きつき、金はいつでもいいから出て行ってくれと話をする。すると、佐平次、実は盗みから人殺しまでやって終われる身、もう少しかくまってくれと言う。驚いた主人が金品を与えて追い出すが、途中で捕まっては大変と、番頭に様子を見に行かせる。佐平次はのんびり鼻歌交じりで歩いているので声を掛けると、「話は全部嘘で、俺は居残りを商売にしている」と言う。呆れて主人に報告すると、主人も驚いて、「どこまで人をおこわにかけるんだろう」
「そりゃあなたの頭がゴマ塩ですから」
【成立】 幕末の春風亭柳枝(1)の作品。主人公「佐平治」の名前について、『広辞苑』には、「上方語、もとは操人形座の隠語。『左平次』とも。出しゃばり。さしで口。追従(ついしょう)。また、さしで口をきく人。おべんちゃらを言う人」とある。

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