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400字で分かる落語「位牌屋」2
93:位牌屋(いはいや):その2
【成立】 文政7(1824)年『咄土産』にある「律義者」は、「奥様のになされませ」という落ち。土佐の民話にも同じ趣向のものがあるそうだ。文化4(1807)年喜久亭寿暁のネタ帳『滑稽集』に「いはい子蔵」と「いはい ○おぼうさんの」と二つが出ている。
安永4(1775)年の漢文体笑話集『善謔随訳』や、同6年『喜美賀楽寿』の「勘弁者」は、伜が死んで棺桶を買い、もっと安いのをついでに買って、「一つは今度のにするは」という落ち。
前半の吝嗇が実におかしく、芋屋を呼び込むのに「蓆を出しましょうか」などの台詞もいい。三遊亭円生(6)が良かったが、放送で演ったら子供の位牌とは何事だと因縁をつけるがいて、演り手が無くなったかと思われたが、桂文治(11)が演っているので一安心。
尚、安永4年の『一のもり』にある「菜売り」では、老人の菜を残らす買って400文(1万円)の値を付けているが、儲けは少ないようだ。「かぼちゃ屋」では1つに2文のかけ値をしているが、ここでは儲けが売り根の15%くらい。
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