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400字で分かる落語:「雨の将棋」

89:雨の将棋(あめのしょうぎ)
【粗筋】 将棋好きの二人、待ったなしで始めたが待つ待たないで争い、借金を助けた昔話まで出て遂に喧嘩別れ。雨が続くと退屈でたまらず、忘れ物を口実に出掛けて仲直り、将棋を始めるが、気が付くと王様がない。探すと股ぐらに入り込んでいた。「いったいどうなってるだ」
「かなわねえから、金のうしろィ逃げたんじゃねえか」
【成立】 古今亭志ん生(5)が演った。落語ファンなら誰でも分かる、「笠碁」を将棋に変えたもの。なぜそんなことをしたのか。志ん生が囲碁より将棋が好きだから……それだけのこと。勝手に変えてはならないものだが、志ん生だから許されたのかも。志ん生は、「猫の災難」も犬で演った。この2席は知っているが、他にもあるかも。2000年にある場所でこれを話したら、評論家や噺家さんたちから絶対にありえないと全否定された。その後、川戸貞吉の『落語大百科』にちゃんと紹介されていた。ほーら、私が正しいかったんだお。

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