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400字で分かる落語「一八先生」

「い」の65:一八先生(いっぱちせんせい)
【粗筋】 荒れる学校教育。真面目一方の森田先生、テレビの学園物の先生に憧れ、ドラマと同じように懸命に生徒と触れ合おうとするがうまくいかない。夏休みに、教育を考え直そうと山に籠った。新学期を迎えると丸坊主になって来る。元太鼓持ちの人に出会い、人との接し方を学んだのだ。客を楽しませるよう、生徒が自ら勉強に向くようにする、教師も同じ客商売だ。森田先生、名も1年8組から一八と変え、登校拒否の生徒には、「よっ拙がお供をしやすから、学校へ行きやしょう」と迎えに行く。暴力をふるう生徒も、ヘラヘラ笑っている教師は気味悪く感じる。とうとう生徒が降参して、
「これから真面目になるから、ちゃんと叱って下さい」
「では一緒に進学を目指しましょう」
「今から真面目になって、遅くはありませんか」
「内申書に『この子はいい子です』ってハンコを捺してあげます」
「先生のハンコで信用してもらえますか」
「大丈夫。これが本当のタイコ判」
【成立】  小佐田定雄作。平成元(1989)年5月17日、桂雀松が初演。

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