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400字で分かる落語:「あ」の26「あきな5号」

26:あきな5号(あきなごごう)
【粗筋】 アメリカではハリケーンに名前を付けるが、日本でも突然そうすることになった。担当の山田予報官は五十音順で「あ」で始まる「あきな」と付け、前の数字も残して「あきな5号」とする。ところが、愛人の名前だと噂になり、キャバクラ嬢の名前と決めつけられ、担当を下ろされる。代わりになった同僚は次の台風に山田の奥さんの名前を付けて「洋子さま6号」とした。二つの台風がもつれ合うようにして上陸、女性は「洋子さま」を、男性は「あきな」を応援、女性らは団扇で風を強くして応援、男性は何もないので口で吹いて応援する。この男の一人が台風に噛みつかれる。
「ここは台風の目ではなく、口なんだ。台風の口に噛みつかれた」
【成立】 三遊亭円丈の創作落語。2011年初演を15年に改訂。
【一言】 昔のハリケーンは女性の名前だったが、今は平等に男女交互に付けるらしい。昔は台風が女性、雷は男だった。「サム雷」に「トム雷」……おそまつ!

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