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400字で分かる落語:「朝友」1

43:朝友(あさとも):全2回の1
【粗筋】 日本橋の伊勢屋・文屋検校の息子・康次郎が死に、あの世へ向かう途中で松月堂の娘・里と行き会う。生前思い合っていたことが分かって夫婦約束をするが、閻魔が里に一目惚れ、男は邪魔なのでブチ生かしてしまうことにする。いうことを聞かないお里は三途川(しょうづか)の婆に預けられて割り竹で折檻され、雪の中松にくくり付けられる。金貸しの息子だけに、鬼に賄賂を贈って脱出、お里を救い出す。お里は生き返り、話を聞いた坊主が、
「文屋康秀は死後に生き返るが、死体を焼かれていて、同じ時に死んだ日向の朝友という人の体を借りて伊勢へ帰った。文屋と日向屋で伊勢も出て来るので縁がある。夫婦にしてやりなさい」
「向こうの都合もあるでしょう」
「いや、幽霊同志で金貸しだからアシ(足・悪し)は出ない」
【成立】 明和5(1768)年『軽口春の山』の死者が蘇る話など。橘家円喬(4)の速記には「トモフサ」とルビがある。

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