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400字で分かる落語:「穴バーにて」

65:穴バーにて(あなばあにて)
【粗筋】 雑誌に飲み屋の情報を書いているが、なかなか穴場が見付からない。ある店にいた男は、この店を気に入っていたが、雑誌に紹介されて客が増え、静かに飲めなくなったと文句を言う。それでも、礼金を出すと新しい穴場を紹介してくれることになった。付いて行くと、着いたところは公園。マンホールの蓋を開けて入って行く「穴バー」なのだ。ここまで連れて来た男がオーナーであった。いい酒も並んでいるし、核爆発があっても気付かぬほど静かに飲めるのだが、店の入り口を踏んづけても誰も気付かない。
「だから、この店の事を書いて下さい」「嫌だね」「なぜです」
「雑誌に載せたら、僕の穴場が無くなるじゃないか」
【成立】 桂文枝の創作落語、72作目。1988年11月初演。

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