400字で分かる落語

「あ」の落語第11席:青空散髪(あおぞらさんぱつ)
【粗筋】 散髪に行きたいが金がない。友達が天王寺公園に青空散髪というのがあり、たった50円でやってくれると言う。言って見ると、「理容所」という看板があって、椅子が一つだけ置いてある。公衆便所で頭を洗い、風呂屋に置き忘れてあった剃刀で髭をそる。
「不衛生やないか」「何でも廃物利用せなあきまへん。看板見なはれ、『りようしよ』と書いたある」
【成立】 林家染語楼(3)が戦後の天王寺公園を描写したもの。四代目が継いでいたが、2006年3月に亡くなり、その5月29日の追悼落語会で息子の市楼が演じた。この日は四代目の誕生日だった。(読売新聞2005年5月19日)
【一言】 文永年間(1264~74)、亀山天皇の御所で警備をしていた藤原基晴の息子・采女之亮(うねめのすけ)が、紛失した宝刀を探すのに髪結いになる。無事発見すると、天皇から髪結いを本職とすることが許された。

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