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400字で分かる落語「家の固め」

「い」の8:家の固め(いえのかため)
【粗筋】 太田蜀山人に縁談が持ち上がるが、連れて来られた嫁は片方の目がない。仲人が、申し訳なさそうな顔をすると、蜀山人、少しも問題ないと歌を詠む。
  みめよきはかえって家の不為なり女房は家の固めなりけり
【成立】 歌は「みめ(見目)」に「三目」、「不為(ふため)」に「二目」、「固め」に「片目」を掛ける。つまり数が減って行くのである。蜀山人が嫁を世話をするという形で聞いたことがある。蜀山人の小噺は多いが、これだけはタイトルが付いている。
上方では人物名がなく、仲人が歌を詠むと、「なるほど、これはカンチンしました」という落ちになる。片目のことを「カンチ」というから。鍛冶屋が片目をつぶって確かめる様子から出た言葉だという。「片目の嫁」と書いて「かんちのよめ」と呼ばれる。尚、「片目」は放送禁止用語のようで、「隻眼」とか「独眼」はいいらしい。そのルールだと、ウインクをするのに「片目をつぶる」も駄目で、「片方の目を」と言うのだと某女子アナから聞いた。

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