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400字で分かる落語:「雨乞い源兵衛」

80:雨乞い源兵衛(あまごいげんべえ)
【粗筋】 40日の旱で、庄屋が130年前の先祖が雨を降らしたという源兵衛に雨乞いを依頼する。実は祖先もいい加減なことを言っただけで、源兵衛だって雨乞いなんか知らない。庄屋の方は秘伝だから口に出来ないのだと納得して帰る。
天気は気まぐれ、その日の夕方から雨になり、源兵衛は一躍村の英雄になるが、今度は10日も降りやまず、また庄屋が来て雨やみを依頼。庄屋の娘で「鬼瓦」というあだ名の絶世の醜女を嫁にやると言う。そんな女いらないのに、翌日ピタリと雨が止んでしまう。
庄屋は喜んで娘を連れて来るが、源兵衛は既に夜逃げをしていた。
「とっつぁま、また逃げられたか。また振られたのう」
「ふられるのも仕方がない。相手は雨乞い源兵衛じゃ」
【成立】 小佐田定雄作。昭和55(1980)年2月、桂枝雀(2)により初演。
 三部構成で、舞台はすべて源兵衛の家、幕間は土手(花道)で農民の会話がある。舞台を髣髴とさせる演出が見事。

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