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400字で分かる落語「今戸の狐」

99:今戸の狐(いまどのきつね)
【粗筋】 乾坤坊良斎(けんこんぼうりょうさい)の弟子で良輔という58歳になる落語家、三笑亭可楽の世話で所帯を持ち、内職に今戸焼きの狐を作っている。向かいの呉服屋の女将は、俗に「こつ」と呼ばれた千住の女郎あがりだが、「千住の妻(こつのさい)」と呼ばれてなかなか評判も良い。この女房も良輔に教わって狐を焼き始めた。
 可楽の家で給金を勘定しているのをキツネという博打だと思った男、弟子に「キツネが出来るんだろう」と話すと、弟子も勘違い、「キツネが出来るのは今戸です」と良助の家を教える。ここでも頓珍漢で、焼き物を見せられ、「泥の狐じゃねえ、骨の賽(こつのさい)だ」「ああ、千住の妻(こつのさい)なら向かいのおかみさんです」
【成立】 乾坤坊良斎(1880年没:92歳)の創作。明治の頃の噺家の生活が描かれているが、古今亭志ん朝しか聞いていない。正岡容によれば、志ん生、馬生も演っていたそうだ。キツネはサイコロ3個を振り、賭けた目が1つ出れば2倍、2つなら3倍、3つなら4倍返る。ちゃんとわずかに損するように出来ている。

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