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400字で分かる落語:「あ」の30「欠伸指南」

30:欠伸指南(あくびしなん):全3回の3
 東京では大川の船遊びを設定、隅田川から吉原へ行く山谷堀は埋め立てられて遊歩道になっている。
欠伸をするのは「首尾の松あたり」で、蔵前橋から百メートルほど下流。最初の松は安永年間(1772~80)に風で倒れ、二本目は安政年間(1854~60)に、三本目は明治時代(1868~1912)に枯れ、その後も震災と戦災で消失し、現在のものは昭和37(1962)年に若木が植えられたもの。猫の額ほどの狭い土地でなのでよく探さないと見つからない。「SHUBI PINE TREE」と書かれた英語の説明板がある。
 「首尾の松」の由来には次の三説がある。
1: 寛永年間(1624~45)に隅田川が氾濫した折、三代将軍家光の前で、阿部豊後守忠秋が馬を対岸まで首尾よく乗り切った。
2:墨田区横綱1-12-10の旧安田庭園に「駒止石」が残されている。
3:猪牙船で吉原通いをする遊客がこの辺りで昨夜の首尾について自慢し合ったから。
4:海苔を取るための「ヒビ」が立ててあったが、この「ヒビ」がなまったもの。

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