見出し画像

400字で分かる落語:「海女」

75:海女(あま)
【粗筋】 鯛が釣れる穴場と聞いて出掛けたが、船が1艘しかなく船頭は腰が悪いので、息子が帰ったら船を出すと言われる。爺さん、海女は全国各地にいるがこの村が元祖だと話を始める。昔、茂七という漁師が夜に釣船を出すが全く釣れない。裸体で岩の上にいた女が魚は向こうに寄っていると教え、お陰で大漁になった。それから何度も女に教えられて生活も豊かになる。茂七は女に惚れ、嫁に迎えて女の子が生まれる。妻は夜になると出掛けるが見てはならないと言われる。これが村人の噂になり、遂に女が人魚であることが現れる。妻は海に帰るが、娘は普通の人間だから育ててくれと言い残す。この娘は泳ぎがうまく、アワビやサザエを取って来る。これが海女の始まりなのだ。
「この村の海女は人魚の子孫だから、みんな器量がええだ」
「しかし、この話は本当なのかい」
「嘘ではねえが、人魚だけに、多少は尾ひれがついとるだ」
【成立】 鈴木みちをの作品を、三遊亭金馬(4)が演じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?