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400字で分かる落語:「我孫子宿」

68:我孫子宿(あびこやど)
【粗筋】 我孫子屋と宿の番頭、酒好きで飲み始めると止まらない。現れた客が駒形という名で、世話になった宿の女・お蔦を探していると聞くと、これは「一本刀土俵入り」だと、芝居を熱演。途中で酒が切れて調理場へ行くと、親子連れが急に出発したいと言う。悪い奴にだまされて借金を背負って逃げているが、その手下が前を通ったというのだ。番頭が逃げる費用や弁当に握り飯まで用意してやると、上にいた駒形さんがこの親子を捕まえる。実は刑事で、親子は詐欺を働いていたのだ。番頭は子供に握り飯を与え、
「悪いことをしてでもお前を育てたかったんだ。大きくなったら孝行をするんだぜ。この握り飯を持っていきねえ」
「番頭さん、出来たな、一本刀土俵入り」「なあに、結びの一番でさ」
【成立】 飯島やへいの作品を三遊亭円歌(3)が演じた。「一本刀土俵入り」は茨城県取手宿の「あびこや」が舞台。創作で実在はしていない。
(タイトルバックは「一本刀」の舞台となった小堀の渡し)

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