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400字で分かる落語「意地比べ」2の1

「い」の26:意地比べ(いじくらべ)全2回の1
【粗筋】 辰が旦那の吉兵衛に金を貸してもらいに来た。話を聞くと、一月前に他の人から30円を借りたが、辰を信じて無利子無証文でいいと言ってくれた。その心意気に感じ入って、必ず一月で返すと誓ったのだ。それが工面が付かぬので吉兵衛に借りに来たという。その心意気が気に入ったと、こちらも無利子無証文で貸してやる。そのまま返済に行くと、向こうでは都合がよくなって返しに来たのではないと見抜き、受け取りを拒否、仕方なく吉兵衛に返しに行くと、吉兵衛も一月の約束だから受け取らないという。
 また先方に行って訳を話すと、そう誓ったのなら受け取ってやるが、貸した時刻まで待てと言い、ご馳走するから息子に酒と肉を買って来いと命じる。これが帰って来ないので見に行くと、息子は狭い道で男とにらみ合っている。お互いに急ぎの用があるのに道を譲ってくれないと言う。
「いいから酒と肉を買って来い。その間俺が代わりに立っているから」

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