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400字で分かる落語:「有馬小便」

101:有馬小便(ありましょんべん)
【粗筋】 竹の樋(とい)から思い付いた珍商売。竹竿の節を抜いて、「ええ、二階から小便させましょう」有馬温泉の中を練り歩く。客からは好評だったが、婦人から声が掛かり、「しまった、如雨露を持ってくるんだった」
【成立】 元禄16(1703)年米沢彦八『軽口御前男』の「有馬の身すぎ」。「身すぎ」は商売のこと。原作は大物の持ち主がいて、竹筒に入らないから如雨露を出す。この商売、料金を取って、お百姓に売るので、二重の儲けになる。二階建ての宿が多いので有馬でないと成り立たない。
2000年頃、桂春団治、笑福亭松鶴(6)、露乃五郎兵衛らを聞いたと言ったら、上方の通の方から、五郎兵衛はありえない。ファンでも初耳の珍品だとの声が次々届いた。口調が彼なのだが上方にはうといのでと一応謝罪したが、翌年、東京でもラジオ放送された記録が出て来た。ほら、私が正しかったんだお。
「此徒津の国有馬の湯女に替る所なし」(好色一代男)

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