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葬送のフリーレンはフェルンとシュタルクの玄孫を子守したっていい

葬送のフリーレンが良作なのは言うまでもない話ですが、僕は個人的に気になっている事があるのです。

同物語が、その設定によって、たぶん「そうなる」であろうと予想される場面が、ちょっと気になっているんですよね。


フリーレンが目撃するもの

フリーレンはエルフなので、人間やその他の劇中の種族とはタイムスケールが違うんだけれど、厭世的な生活から世の表舞台に出てきたことで、彼女は自分よりも命の短い人間たちの生死を目撃することになっていますよね。

それで何が起きるのかというと、フリーレンがヒンメルやハイター他を送ったのと同じように、フェルンとシュタルクを送ることになるってことです。

ただヒンメルの時と違うのは、物語の表舞台で生きることを選んだフリーレンのもとには、今ではフェルン、シュタルクほか多くの登場人物が集まっています。

それによって、魔王討伐直後とは違う形で、たくさんの人の営みがつらながって広がっていく様子をすぐ傍らで目撃可能性が高まっていると思うんですよね。

その可能性の中には、フェルンやシュタルクの人生とそこから広がる子孫もまじってそう。

同作の物語の凄さ

フリーレンという作品がすごいなー、と思うのは、まあまあ長寿命のエルフというのはどのファンタジー作品にもでてくるのだけれど、エルフのような長命種のタイムスケールのズレを使って、人の生死と連なりを追いかけようとしていること。

時間経過的なオチとして◯◯年後や、主人公以外の存在で世代交代を目撃するキャラクターというのはわりとありますが、劣化しない本人が主人公のまま主体となってそれを目撃することになる(かもしれない)メジャー作品って、あんまり思いつかないんですよね。

だから、そういうものがこの先見れるかもしれないと思ってワクワクしている。

で、そこから起こりうるかもしれない、見たいシーンが2つある。

みたいもの

一つは、フェルンとシュタルクが──結婚するかしないかはわかりませんが、確実に二人の子孫とフリーレンが接点をもつであろうこと。そんななかで二人の子か孫かひ孫か玄孫か、なんでもいいんですけど二人の血縁者の子守をして翻弄されるフリーレンが見たい。確実に顔ひっぱられてげんなりしている、若い姿のままのおばあちゃんが見える。そこでフリーレンは、どんな思いを抱くのか?

もう一つは、人が営みをつづけると、ちゃんと人類史っぽいことをやろうとすると、4〜5世代もすると人類の文明というのはバカ進歩するんだけれど、もしかしたら、それによって産業革命後の近現代的な世界で暮らすフリーレンが見れるかもしれない、と思っていること。もしそこまでやってみせたら、これほんとうに傑作だとおもう。そこでフリーレンは失われつつある魔法と入れ替わる形で発達する文明に何を感じるのか?とかとか。

まあまあタイトルの通りの展開で想像するなら、ヒンメルと再会したフリーレンがヒンメルに改めて気持ちを伝えてちゃんと送り出して物語は一旦終わりだともおもうのだけれど、それ以外の、その先の可能性も感じさせるフリーレンという物語は本当に秀逸です。


フリーレンの子守絵:かのえの作


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