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【ライブレポ】メラシャラの亡霊が観たももすももすのソロライブ「singin' In The Moonlight」

2022年5月31日の記録。渋谷にてduo MUSIC EXCHANGE、「singin' In The Moonlight」に行ってまいりました。弾き語りだったりソロアーティストだったりの企画に行くのはあまりないので緊張。はじめましての沢山のアーティストの方、雰囲気も楽曲も1人ずつ違うステージ。出会えて良かった。岩坂遼さん、美根さん、シトナユイさん。

しかし、私の今回のお目当ては"ももすももす"。
高校時代にメランコリック写楽の音楽に出会ってから、彼女が作り出す曲と紡ぐ言葉と歌の虜だった。

でも2017年の冬に解散してしまった。悲しい。だが、その当時私は名前程度しか知らなくて解散2ヶ月後くらいに初めてMVを見てハマるという大罪を犯しています。大馬鹿野郎。なんでこう好きなバンドはどれも解散してしまうのかな。そして後から知るのかな。しかし、彼らはメランコリック写楽としての活動に終止符を打ったもののそれぞれ音楽活動を続けています。ギターの甘酒さん、ベースのノモトクンは"麻痺するポケット"というバンドを始動、ドラムのヨコピーは今や"ニガミ17才"に加入、そしてギターボーカルのももすちゃんは解散翌年にコロムビアからシンガーソングライターとしてデビューしました。メジャーだってばよ...。すごい。とまあ、こんな感じで彼らが新たな道を進む中、私といえば本人たちの演奏を直接見ることなく今までズルズルとYouTubeに残った過去のMVに縋って生きてきた訳です。大学を機にやっと関東に出てきて、麻痺ポケのライブには1度足を運び、そして今回、2年ぶりにももすちゃんがライブをするということでチケを取ったというわけです。ここまで前置きです。長すぎる。


さて、ライブ当日。ももすちゃんは大トリで登場。機材準備からステージに現れたももすちゃんに息を飲む。"ホンモノだ...。"なんてったって5年間画面越しでしか見てない人間が目の前に立体で現れたわけですからね。2次元に恋している人間は気をつけた方がいい。本当に推しが3次元に来たら絶対に卒倒してお前はあの世行きだ。せめてお前が2次元に行け。そしてなんともまあ小さなお顔...。折れそうなほどに線が細い。セッティングを終えて下がり、会場BGMが鳴る中再びステージに戻ってくると板付きでライブは始まる。

①隕石

1曲目は「隕石」でライブがスタート。沸きますよね。1番好きな曲だったので嬉しい。ももすちゃんのInstagramでもセトリに入れるよって言っていたけどまさか1番最初にやるとは。初めて聞く生の歌、それが好きな曲という事実で胸がギュンギュンに射抜かれました。サウンドもバンドサウンド、未練タラタラヲタクの言葉にすればメラシャラ時に近くて。特にリードの感じがそうで、今回は少し歪んでいるけどフレーズが好き。歌詞に関しては、ラブソングを書いたので少し恥ずかしいみたいなことをどこかのインタビューで言っていた気がするけど(記憶違いだったらごめん)、"ごめんね"と"好きだよ"が並列関係にあるのいいですよね。直列繋ぎではなく、並列繋ぎなんですよ。分からない人は小学校の理科からやり直してください。
これは私が勝手に行間を読みますが、"ごめんね、それでも好きだよ"っていうのが慎ましくも我儘込みな感じがして愛しいですよね。最高。

②シャボン

1曲目が終わり、”ももすももすだよ、あ、だよって言っちゃた...ももすももすです”と自己紹介をする所から始まり、返しのモニターよりさらに前のステージギリギリまで出てきてMCを。なかなかそこに立ってMCはじめる人いなさすぎる。”2年ぶりのライブなんですけど、みなさんは2年越しに何かをしたことってありますか?.............車の運転........うんうん、みんなの心の声が聞こえてきました、あとなんだろう、レゴとか"というももすちゃん。そこでレゴ出てくるか~~~~~~私15年くらいやってないな~と思いながら、摩訶不思議ももすワールドに引き込まれていく。会場もももすちゃんの一挙一動に心を振り回されながらも温かい目で見つめていた。もう本当にあのドラえもんみたいな顔してたよね。なんだろうね、次に何をしてくれるのか何を言うのか分からないこのハラハラとしたドキドキとした不思議な感覚が堪らないんですね。もうお客さん達何が起こっても拍手してたもんな。ここにももすちゃんがいて自分達がいるという空間が嬉しすぎて。またMCにて、”拍手してくれると嬉しいので、拍手してください。あ、でも無理にしなくても良いです”と話し、会場がこうなんというか逆に拍手をするか否か迷って微妙な空気になっていると”あ、拍手してくれないんですね”と笑いながら言うももすちゃんに全員がハートを打ち抜かれた。チープな言葉で言えば小悪魔的なかわいさで完全に私はノックアウト。場外場外もう試合継続できません。会場は拍手拍手拍手。そうすると”私からも拍手しますね”と、拍手を送ってくれるももすちゃん。謎の拍手タイム。尊い。兎にも角にも自由にお話するももすちゃんに振り回されるような感覚がどうしようもなく愛しかった。MCだけで文章を書きすぎる。2曲目に披露したのはバラード曲「シャボン」。”身勝手なあなたのため”とほぼアカペラ状態で歌い出すももすちゃんの声が直に響いてきて泣きそうだった。両手でマイクを握りしめて歌うんだなと思った。大事そうにマイクを包んで、真っ直ぐな瞳で歌う姿から目が離せない。ステージを自由に闊歩する。Bメロの音程の高い所、”泣き声抱擁この世は狂気かい”の所でふわっとしゃがみこんで声を振り絞る。空気をはらんで揺れた朱色のスカートが目に焼き付きすぎている。守りたい、その姿。

③桜の刺繍

次に披露したのは「桜の刺繍」。"今回の楽曲はどれもソロライブ用にDTM、デスクトップミュージックで特別アレンジしてきました、特別です!"と話し曲を始める。スキップするように上手下手を歩く。下手に来てくれた時、見間違いか分からないけど右目をつぶってくれたの嬉しすぎた。これはもしや恋。曲ですが、聞けば聞くほどいい曲だな。まずイントロギターリフが好き。ぎゅいんと切なさが引っ張られる感じ。サビの最後で弧を描くように落ちる歌声が好き。歌詞フレーズは何個も何個もあるから下に書き連ねておくね。"ひたすらに言葉を帆布に刺繍した"(ここのコーラスも好き)、"桜を踏み町へと駆けだした"、"静かに夏が来る"、"砂の舞う思い出になりました"、"背丈の誤差も"。

④海と傷口

続けて披露したのは「海と傷口」。実は初めて聞いたんですよね。音源をさがしてもない...。ミドルテンポでどうしようもなく切なくて好きだったんですよね。もう一度音源が聞きたすぎて今急いでFC入ってきた。クレカ番号必要でライブハウスで必死に財布開いてクレカと睨めっこしてたのは私です。スタジオでの弾き語り音源聞いてもやっぱり良かった。途中、ギターがなくてアカペラで歌うとこがあるんですけど本当に本当に綺麗な声。"昨日あなたと海に行った 天国くらい楽しかった"というフレーズがももすちゃんな気がした。勝手にね。

⑤ハネムーン

4曲目も終わりそろそろ最後。ラストMCではライブが楽しいと口にし、その他諸々告知などを。また"Twitterでも書いたんですけど、今日ライブに来てくれた人にはこの夏美味しい西瓜が食べられる魔法をかけておきましたのでそちらもお楽しみに"と告げる。可愛すぎる。ここで私は美味しい西瓜が食べられるひと夏が確定しました。西瓜食べる際は私を呼んでください、美味しくなります。そして"最後に好きな曲を歌って帰ります。おやすみなさい。"と言い残し、始めたのは「ハネムーン」。三拍子のワルツが可愛くて幻想的で好きな曲。元々好きだったが、ライブで実際に見てさらに好きになった。廃遊園地で生きるメリーゴーランドがくるくると回るように流れるサビが心地よくて好き。もっと具体的にいうとベースライン、ベースラインが優秀すぎる。Cメロのコーラスが頭をぼうっとさせるくらいに麻薬的に甘い。幸せに満ちたままライブは終焉を迎える。ライブの終盤にかけてどんどん仕草が自由に笑顔が増えるももすちゃんが愛しかった。サインもお話もできて嬉しすぎた。またライブ行きたいな。

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