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お前がヘヴィファイトを始めたら買うべき物(附・前回の補足)

 俺が前回「お前がヘヴィファイトを始めるべき理由」という記事を書いたところ、TwitterでのファボやRTも勘定に入れると百人以上に読まれたようだ。書き終えてからタイトルにある「ヘヴィファイトを始めるべき理由」に一切触れていないことに気付いたが、そんな細かいことはどうでもいい。
 あの記事を読んだ百人のうち、実際にヘヴィファイトを始めるのは一人いればいい方だろう。今回はその一人、つまりヘヴィファイトを始めるに至ったお前に向けて記事を書くことにした。
 「ヘヴィファイトを始めたらまず何を買うべきか――」お前は輝かしい先輩ファイターの纏うさまざまな装備に目を奪われ、いつか自分も甲冑を買い揃え、激しい戦いに身を投じるという未来を思い描いていることだろう。
 だが甲冑の前に揃えておくべきモノがある。甲冑よりも安価で、しかし重要であり、甲冑よりも入手が容易。今回はそんなアイテムを紹介しておく。
 なお、以下に記すのはあくまで俺の基準で推奨するものだ。特に自分のサイズに合う甲冑との出会いは一期一会だ、お前が必要と思ったものを買え。

●「ラタン」を買え。

 まずは何がなんでもラタンを買え。ラタンとは武器の材料となる木材のことだ。「籐」という木の一種で、主に家具などの材料として使用されているらしい。
 だが国内で入手できるものは製材のため乾燥させられていたり、そもそもラタンの種類が殴り合うのには適切ではなかったりと、ヘヴィファイトには不向きなことが多いようだ(買えるところもあるようだが、俺はまだ購入したことがないので割愛する)。そこで入手にはグレゴリウス山田先生を頼れ。
☆グレゴリウス山田先生とは?
 詳しくはwikipediaを見ろ。山田先生は月刊漫画家にして、暗黒学園に初期から参加している偉大なファイターだ。そして個人で大量の鎧やラタンを輸入しては学園生徒の装備向上に寄与されるなど、その功績は大きい。お前も時代錯誤な趣味を始めるなら、先人に敬意を払うことを忘れるな。

 ラタンにも片手武器用の長さ1メートル強のものと、両手武器用の2メートルほどのものがあるが、まずは片手武器用を買え。そうすれば家でも素振りができるからだ。
 ヘヴィファイトではよく、武器の扱いについて「腕だけではなく、体全体で振るう」と教えられる。そうしないとすぐ武器が持ち上がらないほど腕が疲れて、戦い続けることができないからだ。だが口で言われてもすぐに実践はできない、ましてや月に二、三度行われる練習会で素振りをするだけではいつ身に付くかも分からない。お前がどんなペースで上達したいかは自分で決めろ。だが少しでも早く強くなりたいなら、素振りだ。だから甲冑よりもまず、自分の武器を手に入れろ。
 機会があれば(あと俺のモチベーション)買ったばかりのラタンをお前だけの武器にカスタムするhow toを教えることになるだろう。

●サポーターを買え。

 次にお前が買うべきなのは、肘・膝などの間接や金的を守るサポーターだ。剣道用でもフルコンタクト空手用でもいいし、何ならチャンポンでも構わない。自分に合ったヤツを好きなように組み合わせろ。俺はその結果、池袋・建武堂のおばちゃんに「いったい何を始めるんです?」とコマンドーみたいな疑われ方をされた。だが気にするな、胸を張って「世界で一番紳士的なスポーツです」と言ってやれ。
 ちなみに暗黒学園ではレンタル用鎧と共にサポーターも貸し出している。「エッじゃあ自分で買う必要ないのでは?」などと迂闊なことを言うヤツは、汗の染み込んだまま洗い忘れたサポーターを口に詰め込んで黙らせる。どうせ自分用の甲冑を手に入れてもサポーターは使い回せる、さっさと買っても損はしない。あとヘヴィファイトは尋常ではないほどの汗をかく、その他人の汗が染み込んだ直後のサポーターを使いたくないとかいう潔癖野郎はさっさとサポーターを買え。俺はそうした。
 なお暗黒学園のルールでは肘・膝を防護する甲冑については厳しく取り決められている。だからサポーターの着用についてはそこまでこだわらなくてもいいなどということはない。間接の怪我は一生を左右する。念には念をだ。お前はたかだか数千円のサポーターを着けないために一生モノの怪我を背負うつもりか? 違うならサポーターを忘れるな。

●ギャンベゾンを買え。

 ギャンベゾンは甲冑の下に着る、厚手の服のようなものだ。衝撃を吸収する上に、モノによっては甲冑を着けるハードポイントのような役割もある。
 買えと言ったものの、鎧によってはなくても問題はない。暗黒学園の中にもこれを使っていないファイターは何人かいる。必須ではないが安全性は底上げされるし、何より鎧はなくともこれだけで気分が盛り上がる。だから懐に余裕があれば買っておけ。
 ちなみにこれも入手は山田先生を頼れ。

 この三点が、今回俺が購入を勧奨するものだ。どれも始めるなら早めに準備しておきたいものだが、特に薦めるならラタンだ。
 ヘヴィファイトを「甲冑を着て木刀で殴り合う競技」とする説明もあるが、ここでいう「木刀」は通常日本でいう木刀とは重さもバランスもまるで異なる。強くなりたければその違いを体で覚え、早く、且つ効率的な素振りを身に付けろ。

 そして俺が今回言いたいのは、何よりもまず「ゾンビランドサガ」を見ろ。以上だ。

前回の補足。
 ところで俺は重大なことを見落としていた。そもそも俺はどこでヘヴィファイトを嗜んでいるのかということだ。一応名前は出しているので全文読めば推測はできるようになっているのだが、事実を読者の理解に委ねるのはあほのやることであり、この場合のあほとはつまり俺のことだ。
 なので改めて明記しておく。俺が参加しているのはバケツヘッド氏が主催するヘヴィファイト初心者向け教室「暗黒学園」並びに甲冑戦士交流イベント「健甲会」だ。他団体については俺は全くの無知なので、今後記事を書くにあたっては「暗黒学園」「健甲会」を基準にしていると心得てほしい。詳細な内容や次回開催日時などについては、バケツヘッド氏のTwitterを参照しろ。
 もし他団体に参加したなら、そこは俺の知らない戦場だ。俺の記事のことなど忘れてそちらのルールに倣え。

甲冑積立金にします。