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ツイキャス版「禍話」のリライトとして見るドラマ版「禍話」

先日放映されたドラマ版「禍話」(まだ見れます)。各地の禍民で考察が進められておりますので、私も気になったところを書き留めて考察していきたいと思います。
とはいっても詳細な考察は御本人であるかぁなっき氏が先日の放送で行われていたので、話半分でお聞きください。

ドラマ中で気になった箇所、各解説

●冒頭のナレーション

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「今日中に同じ手紙を5人に出さないと呪われます。今聞いた話を10人に放さないとあなたのところに来ます。恐怖はいつも人々の手で伝わり広まってきました。あなたはこれから体験する話を拡散するかもしれません。でも、それが何かに触れてしまっても、あなたの身に禍(わざわい)が降りかかっても、一切責任を負いませんのでご注意――(激しいノイズ)」

かぁなっき氏はこのラジオを「禍話」だと仰っていましたが、当然かぁなっき氏でも入野自由氏の声でもありません。そもそも、この「誰かに広めないと『来る』。広めても何かあるかもしれないけれど自己責任」というルール(酷くないかこのルール。不幸の手紙でももうちょっと手心あるが)は現実の禍話でも劇中の禍話でもありません。これは一体どこの「禍話」なのでしょうね。

続いて車にぶつかる男性、「うわっ!」という運転手の悲鳴、そしてタイトル画面。

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入野自由かぁなっき氏(以降「入なっき氏」)のナレーション。

「その家は昔殺人事件があったらしくてさ、売り出しても買い手がつかなかった。だからハウススタジオとして貸し出されていて――」

元になった禍話版「もうどうでもよくなった家」とは異なり、あくまで「あったらしい」程度ではあるもののこの家では実際に殺人事件が起こったという噂が存在しております。

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この村名となった「探湯(くかたち)」、正式には「盟神探湯」と書きます。古代日本で行われていた神明裁判で、裁かれる人の正邪・真偽を確かめるため熱湯に手を浸けるというものです。日本書紀においては允恭天皇が行ったと記されておりますが、ちなみに允恭天皇に纏わる伝説として「衣通姫伝説」というものがあります。允恭天皇の息子と娘(兄と妹)が道ならぬ恋に落ちますが当然許されるはずもなく、引き離されることを拒み揃って自害するという伝説ですね。かぁなっき氏が劇中に登場する兄妹の近親相姦を疑っていましたが、この村の名前もそこから連想して付けられたのかもしれません。

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置時計は1時を指して止まっている。ところで置時計の後ろの絵、何??? 宗教画にしてはおどろおどろしい気がします。

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事件が本当にあったのか不安を感じる女優に対し、監督は「大丈夫大丈夫、単なるウワサ」と宥めます。この家の中には「殺人事件があったという噂」と「兄が家族を殺したという設定」が並行して存在しています。

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奥にたたずむ管理人。右手にカバンを持っています。そして鴨居に並ぶ遺影。中には軍人らしき人も写っていますが、それよりも左から三番目の遺影はなく額だけが残されています。誰の遺影が入っていて、そしてなぜ今は外されているのでしょう。

ちなみに管理人は「殺人事件はあくまで設定(作り話)ですよね」と同意を求める女性に対し、否定するでもなく「詳しいことは――」と言葉を濁します。(「そちらの監督が言い出したことでは」等と言い返してもいいと思いますが)女性は作り話だと表現しているものの、監督と管理人は「何かがあった」ということを(噂レベルだとしても)間違いなく認識しているのでしょう。やはりそういう「噂」があること自体、オリジナルの「もうどうでもよくなった家」との一番の違いという気がします。

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続くこのシーンの左奥、奥に見える黒い扉はおそらく仏壇を置くスペースです。床の間も見えますがおそらくここが仏間なのでしょう。なお、先ほど遺影が写りましたが普通遺影って仏間に掲げると思うんですよね、まぁ家によるとしか言えませんが。
しかし、なぜ仏壇がないのでしょうか。この家には廊下に手すりも据え付けられているので、おそらくご高齢の方か足の悪い方が住んでおられたと予想できます。

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監督が演技を指示するシーン。壁に手すりが固定されています。この後の風呂場のシーンにも手すりが。

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しかし劇中からの情報では、この家の家族構成は「父・母・兄・妹」の四人。鴨居の遺影は左に行くほど新しいものなので、左端の男性が存命の時に取り付けられたのでしょうか。

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なお、階段に手すりは取り付けられていません。「手すりが必要なほど足腰が悪い人物」が「一階を中心に生活していた」ことが分かります。

ちなみに仏壇を置く方角には明確に決まりがある訳ではありませんが、一般的に「南面北座説」「西方浄土説」「本山中心説」があります。

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家の間取りから考えるに、仏壇を置く場合は上記の写真のほぼ真下から少し左にズレた方向に向くようになっていると思われます。南面北座説だと写真の下方向が南、西方浄土説だと下方向が東、本山中心説だと(家がある神奈川県から和歌山県がある方向へ向くよう設置するため)下方向が西と考えられます。一般的に日当たりを考えて南に向け大きな窓を設置するよう家を建てることを考えると、南面北座説と考えるのが一番適切な気がしますね。つまりこの家は「一番日当たりが悪い北方向に木が生い茂り、東西に延びた細長い形の家」と推測できます。なおこの方角問題は本筋と全く関係ありません。

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管理人が襖の奥を向いて佇むシーン。近寄ろうとした女性を「ダメです」と呼び止めますが、その際に鍵束を巻いた左手を少し握ります。しかし人差し指はあまり動きません。怪我をして少し左手が不自由なのでしょうか。

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続いて「開けてはいけません」と再度止めるシーン。左首筋に怪我の跡が見えます。

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扉を開くと岩壁(漆喰?)が。止めるならしっかり止めてほしい。

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カメラがパンする時、机に並ぶ二体のこけしのようなもの。こけしには「口減らしの対象となった子供の霊を慰めるもの」という俗説がありますね(あくまで俗説です、民俗学的な論拠はなさそう)。

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その後、突如急変した女優が廊下を這いずり回り、風呂場で首筋をかきむしったシーンで映像が転換。一旦書店の入なっき氏と加藤よしの氏に移ります。

続いて意識を取り戻した女優のセリフ。

「なんか、倒れるフリしたらそのまま力入らなくなっちゃって。耳元で『お兄ちゃん、お兄ちゃん』って男の人の声が聞こえて。そんな人いつの間に仕込んだんですか?」

家庭内における家族間の呼称は、一般的にその家庭で一番年齢が若い人から見た者に倣います。夫婦の二人家族ではお互いのことを名前もしくは「あなた・お前」等と呼びますが、子供ができれば「お父さん・お母さん」、その子供に弟(あるいは妹)ができれば長男・長女は末子から見た「お兄ちゃん(お姉ちゃん)」、歳を経て孫ができれば夫婦はお互いを「お爺さん・お婆さん」と呼ぶように更新します。

女優が聞いた「お兄ちゃん」と呼ぶ声は、この家に当てはめると「殺された妹が兄を呼ぶ声」と考えられますが、男の人の声というのが気になります。「妹に取り憑かれた管理人の声」とも考えられますが、そうすると「幽霊に取り憑かれた幽霊の声」というちょっと回りくどいことになります。「兄(息子)に殺された父親の声」という可能性も捨てきれません。もしくは兄が妹に語り掛ける際の一人称としての「お兄ちゃん」でしょうか。

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もう撮影を止めるよう忠告する管理人。左手の人差し指・薬指がピンと立っています。手を組むにしても不自然な形ですね、やはり左手が不自由なのでしょうか。

「あの事件って、本当にあったんですか?」と問いかける女性に対し、再び豹変した女優が口走る。

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「こんな細かく設定するから、ダメなんですよ。こんな場所でこんな細かく作っちゃ」

そして女性の腕を掴む何者かの手。

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女性は「左腕」を「後ろから」「誰かの右手」に掴まれています。実際にやってみると分かるんですけど、前にいる人の左腕を掴もうとする際、小手返しでも極めようとしない限り自分も左腕を出して掴むのが自然ではないでしょうか。そうしない理由として、「自分の左手が不自由で上手く動かせない(掴めない)」が思い当たります。劇中で思い当たるのは管理人でしょう。

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「もう、そんなことはどうでもよくなっているんだよ」

後ろから囁く何者か。しかし髪型や目鼻立ち、顔の輪郭は管理人ではありません。

たまらず外へ逃げ出す女性、それを追う監督。

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ちなみにこの時、二人は裸足(靴下)です。ハウススタジオとはいえ、家の中では土足ではなく靴を脱いでいたのでしょう。重ねて入なっき氏のナレーション。

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何がいたのか俺もそのADの子に聞いたんだけど、教えてくれなかった。

「教えてはくれなかった」と表現しているということは、彼女自身は後ろにいた存在に気付いていることになります。

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戻った女性と監督は、家に誰もいないことと乱雑に詰みあがった靴に気が付きます。二人も含めスタッフがこの家に入る際、ここで靴を脱いでいたことは明確なのですが、マトモな社会人ならこうは脱がないでしょうね。なお劇中ではもう何度か「靴が並べられるシーン」があります。

そして廊下に残る掌の跡。

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続けて浴槽に詰め込まれたスタッフ達。

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全員が裸なので分かり辛いのですが、女優のマネージャー役・松原タニシさんがいることから家に残っていたスタッフ達であることが分かります。管理人の姿はここでは見当たりません。ところでこのシーン、どうやって撮影したんでしょう。タニシさんがわずかに動いていることからマネキンではなく実際に入ったと思われるのですが、全員裸で?

そしてシーンは再び配信中の入なっき氏達へ。

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右手前に映っているのは書店の二階に上がるための階段でしょうね。このドラマ、書店内だとこういう「物陰から覗くようなシーン」が多発しています。お二人が禍話を解説。

入「改めてご案内させていただくと、この禍話はネットや本から拾ってきたよくある怪談・都市伝説ではなく私かぁなっきが自ら仕入れてきたものを毎週お伝えしております」
よ「何があっても当番組では一切責任を負いません。リライトも含め全て自己責任でお願いします」
入「ちなみにこのリライトというのはですね、ここで紹介された禍話の元ネタに自由に内容を書き加えたりとか、修正したりしてオッケーだよというシステムです」
よ「つまり、第三者による創作オッケーです。ルールはただ一つ、実話の元ネタよりも怖くすること」

リライトのルールが現実とは変わっています。ツイキャスの禍話に書かれている注釈によると

「また、当方は青空怪談なので、いかなる二次使用も可能です!ただし、怖くしてくれないと……。」

ツイキャス版の「禍話」は「怖さを損なってしまうと(何があるか分からない)」という注意とも読み取れますが、ドラマ版のリライトでは明確に「元ネタより怖くすること」というルールが示されています。ここが今回のドラマのキモだと私は思います。

続いて話題は入なっき氏の過去、"あの怪談"へ。

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画面比率が16:9から4:3へ変わります。過去回想の表現かなとも思いましたが、劇中ではこの怪談の回想以外にもう一度4:3に変更されるシーンがあります(後述)。

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タイトルの黒塗りから文字の一部がはみ出ています。「二文字にしては黒塗りが大きい」との指摘もありましたが、タイトル右下の「Cさんが小学校のとき ― ― ―」と罫線の間をかなり取って手書きをする癖が見受けられますので、文字間の空白を空けると二文字でもこれくらいの長さになるのでは?(「 ● ● 」)という気がします。なおこの名前はかぁなっき氏が実際に知っている名前とは異なるらしいのですが、仮名を出すことすら怖いのでここでは触れません。

また一枚目、本文左のノートに「別人になっている」記憶をとり戻そうと試みるがそれを阻止するように霊現象に●われる(襲われる?)」と読めます。"あの怪談"ではそういった話が出ていなかったので別の怪談の可能性もありますが、その「霊現象」と思われるものが後に発生します。

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再び二人を覗くようなアングルへ。これは書店の外からでしょうか。

その後"例の怪談"が禍民間でどんどん拡散される様子が語られます。

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かわいい。

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みたび二人を覗くようなアングル。

よしの「例の女、勝手にリライトなんかしたから怒ってるんじゃないですか?」
入なっき「リライトがこの番組の醍醐味だよ、それが面白いんじゃない」

お二人の会話。やはりこの辺がドラマ版の核心と思われます。

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舞台となる「無間書房」のバイト募集文。古書店にしてはけっこう時給いいっすね。

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奥には明らかに古書店に似つかわしくない寸胴鍋が見えるので、業態が他にあるのかもしれません。といってもこれはロケ地となったのが、「古本屋と居酒屋がいっしょになった店、コクテイル書房」さんだからなのでしょうが。

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加藤よしのさんの職場。こんな綺麗な出版社があってたまるか――というのは置いといて、窓の外に東京タワーが見えます。職場は港区でしょうか。

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"例の怪談"に纏わる失踪者の資料を見る入なっき氏。左側が名前を言い当てた大学生、右側が一緒に廃墟へ入ったジャイアンみたいな少年の資料でしょう。写っているキャンパスは北九大かな?

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突如鼻血を垂らす入なっき氏。先述の"霊障"に当たると思われます。恐らく「記憶を取り戻そうと試みた」のでしょう。

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禍話放送、「葱の回転」によるリライトの紹介。

「殺人事件があったという設定で行われた心霊スポット探訪。結局中止になってしまい、代わりに後日本当に長男による一家惨殺があったという設定で、再現ドラマの撮影が行われることに――」

この「再現ドラマの撮影」という部分そのものが「葱の回転」による書き加えだと思われます。現実のリライトにはない大胆な手法ですね。ここから始まるのは「葱の回転」の心象を踏まえた物語です。

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距離が近い女優と監督。マネージャー後ろで見てないで止めろ。

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再現ドラマの撮影シーン。妹を刺す兄役の役者さん、先ほどADの女性の背後に現れた男に似ていますね。

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畳の血痕と、机に残る爪痕。

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再び1時で止まった置時計が写る。さっきはよく見えませんでしたが、今回は明らかに返り血が付着。

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何事かを呟き続け棒立ちになる監督。ここで何を言っているか知りたいんですが、何回やっても聞き取れない。

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廊下を走った後に戻り、

「這ってきて 死んで 止まる ばらばら 手 足 よく切れるなぁ こののこぎり」

と「設定」を口にしています。それはADの女性にも伝染。監督はさらにヒートアップ。

だめなんだよ細かいのは 細かくしちゃ何か起きちゃうだろ 帰ってきちゃうんだよ

ここ、何回聞いても「入ってきちゃうんだよ」ではなく「帰ってきちゃうんだよ」と聞こえます。「元々この家にいた誰か」が「再びこの家にやって来る」、その降霊の手順が「細かく設定を詰める」ということなのでしょうか。

(※7月19日追記)

Tverで字幕が表示できるというので確認したところ、「入ってきちゃうんだよ」でした。

(追記終わり)

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廊下に掛かる絵。花のようですが曼荼羅にも見えます。この家、こういう宗教的なモノが異様に多いんですよね。

そして玄関を叩く音。「帰って来た」のでしょう。

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懐中電灯の光に浮かび上がった管理人。そして「そろそろ始まりますよ」の一言。地味に管理人、「葱の回転によるリライト版」だと初登場です。

二階から響くシャッター音。「殺人事件」の設定を語り、血痕を幻視する女優。

「追い詰められて お父さん 背中 何回も お母さん 動けない 息子 近付いてきて 正面から 胸 お腹」

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オリジナルの「もうどうでもよくなった家」だと「撮影役の女性がカメラ越しにしか映らない血痕に気付き」ますが、この女優はなぜ「スマホのカメラを起動していた」のでしょうか。「肉眼でしか見えない血痕の存在を確かめるためカメラを立ち上げた」なら分かるんですが、これだと「他の理由があってカメラを立ち上げていたため、カメラにしか映らない血痕に気付いた」流れに見えます。暗い部屋を照らすためライトを使おうとカメラを立ち上げたのでしょうか。

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階下に逃げてきた二人は、土間に押し込まれたような革靴を発見。

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いつの間にか喪服に着替えていた監督は、黒いネクタイで自らの首を締め上げる。

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追い詰められた女性ADは、無人の「お葬式」に邂逅。恐らく三人分の遺体が入った発泡スチロールの前には線香と、箸の立った一膳飯が見えます。そしてお経とお鈴の「チーン」という音が流れている。実際にこの家で営まれた「お葬式」の再現でしょうか。

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父(上)(下)、母(上)(下)、そして命名法則と箱の数が異なる「美咲」。

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ダッバー。もうフルーチェ食えない。

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地面に落ちてなお微かに動くゴミ袋。この辺、別の禍話の引用な気がしますね。電車で動くゴミ袋を抱えた人に遭遇する話。動くな。

「何なの、噂なんじゃないの。ただの作り話でしょう?」
「もう、そんなことはどうでもよくなっているんだよ」

タイトル回収、オタクが好きなやつです。

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血塗れになった左手を握り、「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と呟く管理人。怪異に取り込まれている。そして襖が締まり、外の廊下を誰かが歩く音が聞こえます。

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並べられた姫だるま。先日の放送でもかぁなっき氏が近親相姦を示唆すると指摘していました。

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以前壁のあった襖を開けると、そこには首を吊った何者かの姿が。服の色は白っぽいですね。

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画像の明るさを調整。やはり白いです。

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表現規制のせいか(本当に?)遺体が映っていませんが、ロープと床の血痕、そして何かを切ったであろうのこぎりが落ちています。通常の首つりだけだと出血はしないので(下血するにしても体液混じりだと思われる)、誰かがのこぎりで自分の体を傷付けたあと首を括ったのでしょう。
遺体を映さずに惨状を表現しながら、遺体を映さないがためにその目撃者まで一つの画角に収める秀逸な場面。サモトラケのニケに代表される「不在の美」を思わせます。

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背後から女性ADにのしかかる管理人。なお、「葱の回転」版リライトに登場する管理人の左手首には鍵束がありません。また左首筋の傷跡も見当たりませんね。別人なのかな?

映像は配信中の入なっき氏へ移動。

「管理人がお兄さん。で、家族殺して自殺、と。これは考察が捗るゥ~」

とコメントしている通り、この部分は葱の回転による「リライト」部分です。このリライトは「禍ログ三ツ星」に認定されました、謎システム。

カメラはツイキャスに参加した「葱の回転」氏に移動。

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顔の下半分しか映っていませんが、顎のラインは「小日向流季演じる下村雄二」に見えます。「本当の名前を知りたいです」と葱の回転の発言、知りたがるな。「もう、どうでもよくなった家」とタイトルを付けた途端、バグる画面。禍民大歓喜。

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そして「無間書房」もブレーカーが落ちます。

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パソコンはバッテリーがあるので電源が落ちないのは分かるんですが、配信ができているということはマイクとかルーターとかモデムは大丈夫なのでしょうか。店の外を通る一般人が映っているのがちょっと面白い。

場面は変わって後日、JR高円寺駅南口の映像を背景に加藤よしのさんのパソコンからメールの着信音。余談ですがこの後のシーンで再度よしのさんの職場から東京タワーが映りますが、高円寺駅から東京タワーまでは電車でも40分近くかかります。恐らく高円寺にあるコクテイルさんで撮影を終えた後、素材として高円寺駅で撮影したのでしょう。

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あとアングルから考えるに、このビルで撮影したと推測できます。

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Qmail(元ネタはおそらくGmail)の画面、他の写真に紛れて送られてきた謎のファイル。

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アイコンはnoteにちょっと似ていますね。開くと謎の映像が流れる(職場のパソコンでそんなもん開くな)

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車内に取り付けられたラジオ(ツイキャスってAM/FMラジオで聞けるのか?)から流れるよしのさんの声。

完全に死亡フラグ、立ちましたね

これっていつの放送なのでしょうか?

そして映像が届いたことを入なっき氏に抗議するよしのさん、そこに現れる本作最大の狂人、禍妹・下村加奈。

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「崩した本を直せ」と禍民からは総突っ込みが。

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挨拶する加奈の足元に目を向けると、靴がボロボロ。かぁなっき氏は「登山用の靴」「山に兄の死体を埋めに行っていたのでは」と推測されていましたが、どちらかというと学生用の運動靴に見えます。土も付いていませんし、山に結び付けるのは少し弱い気が。異様にボロボロな靴ではあるんですが。
私には「どこかの家に放置されていたのを勝手に持ち出した靴」に思えます。例えば殺人事件が起こって誰も寄り付かなくなり、長年空き家になっている古民家とか。同じものが映っている場面は見当たりませんでしたので、あくまで妄想ですが。

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「行方不明になった兄を探してほしい」と言う加奈に、渋る入なっき氏。よしのさんが「警察には?」と尋ねたところ、加奈は「警察は、ちょっと……」と口ごもります。普通人がいなくなれば真っ先に警察だと思うのですが、明らかに届け出られない事情があることを示唆しています。

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よしのさんに引き立てられ、加奈とともに連れ出される入なっき氏。戸締まりは⁉

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兄の近況を説明しながら家に入る加奈。

三日も何の連絡もないなんて、今まで一度もないんです。友達いないし、彼女なんている訳ないし。私がいないと何一つ決められない人なんですよ。

兄に対する異様な執着が見て取れます。成人してるし23歳なら社会人(もしくは大学院生)だし、三日間どっか行ったくらいでそこまで言うか?

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「葱の回転」の部屋。足元は畳、そして窓には障子と、彼の部屋は和室のようです。

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椅子の下に隠されていたのは、明らかにヤバい量の血が付着した大学ノート。左上には「AD」「アイドル」等の表記があることから、「もうどうでもよくなった家」の構想をメモしてるのだと思われます。アナログ派なんですね。

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和室から出てくる入なっき氏達。奥の床の間の前、何故かウェディングドレスが掛けられています。この和室が葱の回転の部屋だとすると、「23歳の男性の部屋にウェディングドレスがかかっていた」事になりますが全員見事にスルー。もしかしたら古民家の二階で血痕が「カメラには映るけれど肉眼では見えなかった」ように、このウェディングドレスも「肉眼では見えない(けれどカメラを通した視聴者には見える)」状態にあったのかもしれません。ありえない状況に置かれたウェディングドレス、これを着て催された結婚式がマトモな状況にあったとはとても思えません。例えば結婚する夫婦が結婚を許されない関係にあったとか。兄妹とかかもしれません。

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そして大問題のシーン。お墓参りの時の写真(そもそもそんなモン撮るか? そして誰の墓参りだ?)で加奈の隣に写っている男が明らかにキャスト一覧の葱の回転ではありません。誰だよお前は。

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あとキャスト一覧を見ていて思ったんですが、この下村雄二がキャストと設定の年齢が4歳差と一番大きいんですね。次に大きいのが入野自由氏と入なっき氏、女優、監督の3歳差。加齢されているのは彼と女性ADだけです。

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この「葱の回転」氏、どちらが正しいのでしょうか。そもそも登場人物一覧にわざわざ年齢を書く意味は?

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写真を手にする入なっき氏に揃って視線を向ける下村夫婦(どうでもよさそう)。息子のことは「すぐに帰ってきます、心配なんかしてません。だって、あの子ずっといい子なんです」「友達のところに行ってんだろ。誰からも好かれて、いつも人気者だから」と、娘とは真逆の評価。

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家族内の評価の齟齬に気付いたか、視線で会話する入なっき氏とよしのさん。

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視線の先にはよしのさんに隠れたウェディングドレスと……奥の白い扉。これも多分仏壇置くところな気がします。そんなとこにウェディングドレス置くか?

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家を退出する入なっき氏を見送る際、なぜか固く手を繋ぐ下村夫妻。

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書店でくつろぐ入なっき氏、何かの声に反応し後ろを振り向きます。

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フラッシュバックする記憶。再び画面比率が4:3へ。「あったでしょ」と語りかけてくる。

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そして店の外にはあの姿が――というところで目が覚めます。

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ここで下村加奈から入電。登録名の「禍民 妹」がイカします。二人の会話。

「はい」
「あったんですか?」
「え?」
「探し物、あったんですか?」
「探し物?」

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画面は加奈へ。彼女が持っているのがスライド式のガラケー、しかも大量ストラップ付きという今時なかなかお目にかかれないスタイルです。靴と一緒にどこかから持ち出したのでしょうか。ちなみに土間に脱ぎ捨てられた靴は白と黒色のツートン、彼女が先程履いていた靴とは別です。

「加奈さーん? あの、そんなことよりどうなりました?」
「え?」
「いやいやだから、お兄さん」
「ああ(一呼吸空けて)戻ってきました」
「え? 戻ってきた? 大丈夫なんですか?」
「大丈夫って、誰が?」
「いやいやだから、お兄さん」
「ああ、兄なら大丈夫ですよ」
「え……いま、今までどこにいたんですか? どうやって――自分で戻ってきたんですか?」
「(やや食い気味に)そんなの、どうだっていいじゃないですか」
(通話終了)

加奈の会話を見るに、明らかに入なっき氏に電話をかけてきたのは「兄が帰ってきたと報告」ではありません。「探し物はあったのか?」が主題です。しかし入なっき氏は彼女の前で「探し物をしている」という話はしていません。一体彼女は何の目的で電話をかけてきたのでしょうか。

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入なっき氏、緊急生中継を告知。この告知文章がすごくかぁなっき氏っぽい。

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自宅を訪れた入なっき氏に自己紹介する葱の回転。声はツイキャスに参加した葱の回転と同じですね。

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撮影の許可を求めるよしのさん(もう既に配信してるけど)に対し、無言の葱の回転。加奈の視線が怖い。ところで加奈さん、ファッションセンス変わってません? 「無間書房」に来た時はピンクのオーバーオールだったのに。

そして食い気味に尋ねる入なっき氏。

入「どこにいたんですか?」
葱「どこって……まぁ」
入「今まで、何をやってたんですか。どうして急にいなくなったりしたんですか?」
加「無事だったからいいんじゃないですか?」
よ「でも、加奈さんだってあんなに心配してたじゃないですか」

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安達祐実っぽい表情で葱の回転を見上げる加奈。その表情からは「余計なことを言うな」とも「ちゃんと指示した通りに言えるかな」とも見て取れます。

「疲れちゃったんです、お兄ちゃんは。ねっ?」

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自分の代わりに兄を座らせる加奈。ちなみに机の上がめっちゃ散らかってますが、先日に入なっき氏が訪れた時と散らかりようが同じです。恐らく恒常的な風景なのでしょう。
これだけ散らかっていると夕食時に家族四人分の食事を並べることはできません、恐らく二人が限界(なぜなら我が家がこんな感じだから)。この家では恐らく四人が日常生活を送ってはいないのでしょう。両親、兄、妹の誰かが常に(あるいは既に)欠けているのです。

加「でも大丈夫。いつもみたいに私が、(加奈、笑いを堪え切れなくなる)」
葱「(つられて乾いた笑い声を上げる)」
加「ちょっと休めばすぐに戻るって言ってました」
よ「言ってましたって……誰が?」

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加「誰がって、知ってるでしょう?」

呼び止めるよしのを無視し、キッチンに向かる加奈。

「ありがとうございます。でももう大丈夫です」

視線を落とす葱の回転、その先にはメモが。

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ぜんぶ うそ
きをつ けろ

未だ解決していない現実の失踪事件に登場するメモ、「洋子のはなしは信じるな」を連想させます。ところでスペース空ける場所おかしくありませんか?「ぜんぶ うそ」は分かるんですが「きをつ けろ」って何???

そして上のディスク。タイトルの一部にモザイクが掛かっていますが、ボクシンググローブらしいイラストには「EIJI」の文字が。「えいじ」とは誰なのか。この家には「エイジ」という名前のボクシング経験者がいたのでしょうか? ちなみに帰宅した葱の回転の名前は「雄二」です。「家族の誰かが『エイジ』というボクサーのファンで、その試合を録画したDVD」という解釈も普通にできますが。

視線は再び加奈へ。

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「それよりかぁなっきさん、あったみたいですね」
「え?」

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「お墓参りの時に撮った写真」が剝がされています。おそらく「写真に写った兄」と「葱の回転」が別人であるということを明示しないためでしょう。

両親の行方を尋ねる入なっき氏に「二人で旅行に出かけています」と返答する加奈。それを後目に(おそらく)自室へ戻り襖を閉める葱の回転。それを開けようとした入なっき氏を加奈は制止します(が、積極的に止めようとはしていません。おそらく先の管理人がそこまで止めようとなしなかったのと同程度でしょう)。

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このシーン、加奈の向こうに壁に立てかけられた座卓と、その前に椅子が見えます(右隣の布が掛けられた家具も気になりますが。姿見にしてはデカくない?)。このような不自然な家具の配置、探湯村の古民家も同様でした。

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当該のシーン。壁際に寄せられた座卓と椅子が見えます。撮影のために邪魔だから動かしたと読み取るのが普通ですが、奇妙な符号ですね。

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不安視するよしのさんを後目に扉を開くと、そこにはあの汚れた漆喰のような壁が。

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しかしカメラに壁は映らず、その向こうのウェディングドレスと血だまりが映ります。肉眼には映るけどカメラには映らない壁と、肉眼には映らないけれどカメラに映る古民家2階の血だまり。属性が反転していますね。
なお血液は乾くとすぐ色がどす黒くなるので、ここまでの鮮血は血が流れてからそう時間が経っていないと予想できます。誰の血かな? それとも「誰かが殺されてすぐの時間」が写っているのかな? 血だまりが上に伸びているから、刺されてもなお身体を動かしたことが予想できます。解体するために遺体を動かしたのかもしれませんが、解体するために用いるであろう風呂場と方向が逆。自力で動いたと見るのが自然です。

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逃げ出す二人、しかしそれを阻むように玄関を叩く何者かが。

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土間には大量の革靴が。リライトと同じことを指摘するよしのさんのスマホには、同様に何者かと遭遇する禍民達の(喜びの)コメントが。

生放送聞いてたら今耳元で声がした!
玄関の外に誰かが立ってるんだけど
ベランダに人影が・・・・・
今、肩を叩かれた、誰もいない
誰もいないのに靴箱が開いたんだけど・

遭遇した怪異を我先にと報告する、訓練された禍民達。

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逃げ込んだ風呂場には血まみれの浴槽と、二つの大きな黒いゴミ袋。おそらく内容物は「父」「母」でしょうね。成人二人分にしてはちょっと小さいかな。

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腰を抜かす二人の前に「無責任だなァ」と呟きながら姿を現す何者か。

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「よく切れる」とのこぎりで腕を切るような最悪のパントマイムとともに現れた、リライト版「もうどうでもよくなった家」の管理人。「無責任」とは怪談のリライトを推奨しながら「何かあっても自己責任」という態度に向けての言葉でしょう。

「なんで……ありえない、リライトでしょ? ただの作り話なのに!」
「もうそんなことはどうでもよくなっているんだよ」

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そしてのこぎりを振り上げる。この時、画面はみたび4:3へ。

管理人を映したスマホが落下し画面は暗転。二人は浴槽で目覚める。

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「気が付きました? 大丈夫ですか?」と姿を現す加奈。「どうしてそんなところに?」ではない事から見るに、二人が浴槽にいることを知っていながらあえて放置しています。

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リビングに戻り、加奈を前に座る二人。「今、飲み物入れますから」とキッチンに向かう葱の回転。

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その姿を追って目に留まったのは、いつの間にか戻っている家族写真。しかし葱の回転が明らかに別人です。

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右上の光沢(タイル壁にはめ込まれた金属板?)の位置や、両親と加奈の頭の位置がタイルとずれていることから、顔だけ差し替えたのではなく葱の回転を変えた後に改めて写真を撮ったのでしょう(その際に立ち位置、もしくはカメラを構える位置がずれた)。

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他人の家で出される蛇口直汲みの生ぬるい水道水。外でひぐらしが鳴いていますが、夏場だとしても全くそそられません。

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厭としか言えないアングル。

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初めて下村家を訪れた時も俯瞰するようなアングルでしたが、歪みが酷くなっています。そもそも最初の訪問時は角度がついてはいますが(広角レンズで撮ったかな)、真ん中に壁が垂直に映っていることから分かるようにカメラ自体は傾けられていません。しかし厭なアングルは明らかにカメラ自体を傾けて撮っています。

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カメラを平行に構えるとおそらくこれくらい。補正した角度は5度と少ないように思えますが、それだけ傾けただけでもあんなに厭なアングルに感じますね。

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水を飲む二人を見ながら、固く手を握る兄妹。ちなみに両親が手を握り合っていた時は「近寄った際に手が触れる→互いの手を取り合う」という流れでしたが、今回は「加奈が葱の回転の手を捉える→葱の回転がそれに応じて手を握る」です。この兄妹の主導権が加奈にあることが窺えます。

下村家を退出し、帰路に着く二人。

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「どういうことだったんですか?」
「分からない」
「禍話のリライトって、それ自体がヤバいんじゃないですか。だとしたら、あの例の女だって……」
「リライトと、今回の事とは関係ないよ」
「でも……」
「それに、例の女。俺は直接会った事はないんだよ。その証拠に、今までは大した事起こってないし、考え過ぎだって」

ここで再び入なっき氏に鼻血が。口ではそう言いながら、記憶を思い出そうとしたための霊障でしょう。そして「あったでしょ」の声。

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入なっき氏が「あった」と認めると、嬉しそうに笑う。そして入なっき氏は「終わってない。まだ、これから」と続けます。

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周囲に聞かせるかの如く、急に「名前」を連呼する入なっき氏。よしのさんの「オイオイオイ死ぬわアイツ」とでも言いたげな表情が秀逸です。

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階段の上に佇む人影に向かって求めるように名前を呼び続ける入なっき氏。いや~いい表情してる。

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無責任だなぁ。

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そしてエンドロール。公式サイトのキャスト一覧にはありませんでしたが、この二人は下村両親ですね。

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ヒロド歩美さんは朝日放送所属のアナウンサー。全く顔が出た記憶がないので、冒頭のラジオから流れた声でしょうか。

(※7月18日追記)

ヒロド歩美さんはよしのさんが職場で話している人物でした、ご指摘いただきありがとうございます。

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(追記終わり)

二番目の山田竜椰さんはこの方。

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顔に血しぶきが飛んでいることから「再現ドラマ内での殺人犯を演じた役者」であることは間違いありませんが、眉や少し垂れた目尻が「最初の家族写真に写っていた葱の回転」と同じです。

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また女性ADの腕を後ろから掴んだ男の顔にも似ている気がします(頬のラインが)。

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単なる兼役なのか、他の意図があるのかは保留します。

(※7月18日追記)

ちなみに山田竜椰さんは放映当時23歳。劇中の下村雄二と同じ年齢です。

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やはり彼こそが真の下村雄二なのでは? という気がしますね。

(追記終わり)

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最後に舞台となった場所が意味深に映って終幕。地上波だとこれ「提供」のシーンだったりするんでしょうか?

●解説「ツイキャス版『禍話』のリライトとして見るドラマ版『禍話』」

……ということで、ここまでが前提です(クソなっげぇ)。ドラマ版を整理してみて、ただ見るだけでは解決していない点をできる限り考察(ダ・ヴィンチコードくらい穿った見方)していきたいと思います。

大前提として、このドラマは単なる「禍話で紹介された個々のエピソード」のドラマ化ではなく、「『禍話』という怪談ラジオ界隈そのもの」の翻案、いわばリライトです。「リライト」という行為がドラマで執拗に取り上げられたのは、単なるファンサでも「禍話」がリライトを一助として広まったからではありません。「リライト」という行為が一種の降霊、「怪異」そのものの契機だからです。
そして「怪談に手を加える(リライトする)」という実際の禍話界隈ではメジャーではない行為に主眼が置かれ、その行為が下村家で発生した怪異の原因になりました。

・結局あの古民家で何があったのか
「もうどうでもよくなった家」の話についてですが、複数のバリエーションが存在しています。

①オリジンとしての「もうどうでもよくなった家」
でっち上げの心霊スポットとしてのハウススタジオで撮影した人が体験し、かぁなっき氏に話したもの
②ツイキャス版「もうどうでもよくなった家」
①の話を聞き、かぁなっき氏が配信で流したもの
③リライト版「もうどうでもよくなった家」
那奈/ふねさんがnoteに上げたリライト

ここまでは7月10日までに存在した内容ですが、ここから大きく変化します。

④ドラマ版「禍話」で入なっき氏が女性ADから聴取し、配信した「もうどうでもよくなった家」
④は①~③と異なり、「(噂レベルでも)事件が起こった話」が実在しています。監督は心霊スポットをでっち上げたのではなく、肉付けを行いました。これが最初の「リライト」行為であり、それが原因となって古民家での怪異を引き起こします。
⑤ ④を聞いた「葱の回転」が「リライト」を行った「もうどうでもよくなった家」
ここで「葱の回転」は「霊障が発生したものの、再びハウススタジオを訪れた一行が再現ドラマを撮影する」という丸々一エピソードを大胆にも追加するリライトを行いました。結果的に下村家には「管理人が出現する」という行為を引き起こしています。

恐らくこの「リライト」という行為が本来であればタブー(創作であったはずの怪異がドラマの世界にまで侵食してきた原因)です。「鬼を語れば怪至る」という格言の通りですね。
下村家に現れた管理人は入なっき氏を「無責任だ」と追及していました。それは入なっき氏が怪談の「リライト」を積極的に奨励し、新たな怪異が侵食する原因となっていたのに責任を放棄してきたから。

ただ、下村家で発生した怪異は管理人の出現だけではありません。写真を見ると明らかなように「葱の回転」が別人にすり替わっています、これはどういうことなのか。

※ここからは妄想のギアが一段上がるので、あくまで「私にはこう見えた」という程度に思ってお読み下さい。

先程はさらっと流しましたが、これと同じ怪異について言及されている箇所があります。入なっき氏が書いていた「例の女」小説の構想です。

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"別人になっている"

これは「例の女」の怪談にはなかった要素です。何故こんな属性が足されているのか、「例の女」に接触したであろうもう一人の人物から推測してみます。下村加奈です。

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誰がって、知ってるでしょう?

明言していませんが、このセリフから「下村加奈は入なっき氏と共通の知人がいる」事は明確です。その人物が葱の回転の帰宅に関わっていると取れる発言を彼女はしています。

「例の女」に接触する方法は簡単です、彼女のエピソードをリライトすること。事実、入なっき氏の元には彼女と遭遇したという報告が寄せられています。
そして気になったのは、劇中で入なっき氏が見ていた「例の女」のまとめサイト。

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アイコンにご注目下さい。セーラー服姿の女性が写っていますが、劇中で演じられた中山莉子さんとは少し違う気がします。

端がキュッと上がった唇の表情、これ下村加奈役の清井咲希さんに似ていませんか。

このまとめサイトを運営しているのは加奈。兄とともに「禍話」のリスナーだった彼女は、まとめサイトを立ち上げるほど熱心だった「例の女」のリライトを行い、そして接触します。彼女と接触することで"別人になっている"という属性を利用するために。何故か、それは「葱の回転」ではない下村雄二を処理するためです。

古民家の怪談と下村家とが照応していると考えた場合、「探湯村」「姫だるま」等から読み取れる近親相姦というタブーが下村家にも当てはまると考えられます。家族間が尋常ではないことは「なぜか仏間に吊るされたウェディングドレス(=ハレのものがケの空間に無造作に吊るされている。祝福されない婚姻のメタファー)」からも連想できます。

下村雄二と加奈が具体的にどういう関係にあったかは不明ですが、両親と妹から見た雄二の評価が全く異なっていることからも、彼が相当の二面性を抱えていたか、あるいは全く別人の事を指摘していたという可能性が考えられます。
加奈が言うような「友達いないし、彼女なんている訳ない」雄二と、両親が言うような「ずっといい子で」「いつも人気者」雄二。どちらが真なのかは分かりませんが、関係を解消するため兄を処理し、最後に登場した「葱の回転」を真とするために加奈は「例の女」と接触したのでしょう。その過程で入なっき氏が「あった」ことを「例の女」から聞いたのです。

……ということで、以上が私がドラマ版「禍話」を見て考察した内容です。

●補足・冒頭のルールは何なのか

「今日中に同じ手紙を5人に出さないと呪われます。今聞いた話を10人に放さないとあなたのところに来ます。恐怖はいつも人々の手で伝わり広まってきました。あなたはこれから体験する話を拡散するかもしれません。でも、それが何かに触れてしまっても、あなたの身に禍(わざわい)が降りかかっても、一切責任を負いませんのでご注意――(激しいノイズ)」

「鬼を語れば怪至る」という格言そのものな気がします。これについては材料が少なすぎてほぼ妄想ですが、多分メタ的なことを言うと「このドラマをいっぱいシェアしてね」の意かと。ラジオから聞こえてきているように見えますが、後でよしのさんの元に送られてきた映像は同じシーンなのに違う音声(配信中の禍話)が聞こえていたので、「ドラマ版禍話の世界内で流れた音声」ではなく「ドラマを見ている我々に向けたメッセージ」と取れますね。

なお、ここまで考察していてもまだいくつか謎が残っています。

・管理人は一体何者か
・誰がよしのさんに動画を送ったのか
・そもそもあの動画は何なのか、動画内で流れている「禍話」はいつのものなのか
・加奈はなぜ警察に届けなかったのか
・加奈は何のために入なっき氏に電話をかけてきたのか

何か気付けば今後も追記していこうと思います。ご高覧いただきありがとうございました。

……なお、ここまでドラマのキャプチャー画像をバンバン挿入しております。これが著作権法の引用で許される範囲に当たるかどうか調べても分からんかったので、もしアウトとお考えの著作権者様がおられましたらご一報ください。早急に本稿を取り下げます。


甲冑積立金にします。