大人は質問に答えないとか本気で思ってそう
先日、スマホ向けゲーム「フレッシュチャージRURU」のβ1版をリリースするためにAppStoreのレビューに提出したところ、以下の理由でリジェクトされました。
要約すると「追跡の許可をユーザに求めるつもりでないならApp Tracking Transparency(以下、ATT)に関するフレームワークを全て削除せよ」という事らしいんです。
ですがこのアプリには広告が実装されていて、その場合、ATTの追跡許可をユーザに求めるダイアログを表示しなければならない義務があります。(このルールは2020年頃にAppleが定めました)
そしてその対応は過去作「お昼バレー」「つかんで投げろ!」「そろえてCHEER☆UP!」などでも行なってきました。なので今作でも同じ対応をしたという訳ですが…今回はなぜかガイドラインに抵触してしまったのです。
広告を実装するならATT対応せよと言ってきたのはApple側なのですが…いやそもそもどうして私が追跡の許可をユーザに求めないつもりと判断されてしまったのでしょうか?
という事で私はすぐさま「私はユーザに追跡の許可を求めるつもりなので、それをどこで説明すればいいのか」といった内容の抗議文を送りました。すると1日後に以下の返答がきました。
こちらはアプリの設定を変更する必要がありますとの事です。別に要約している訳ではありません。本当にただ、アプリの設定を変更する必要があります、と言ってるだけです。
い、いやいや!まてまて!
それをどこで設定するのかを聞いているのに回答がざっくりしすぎじゃないですか…???
なので設定する箇所はどこなのか何度か質問を投げたのですが「ATTフレームワークのドキュメントを見ろ」とか「開発者フォーラムでエンジニアに質問しろ」とか、その解答はどうも要領の得ないものばかり…。
…なんで私の質問に答えないの?それが大人なの?
ところでGuideline 2.5.1ってなんだ?
公式の説明によれば以下の通り。
この説明だと使わないフレームワークはアプリに組み込むなと言っているように見えますが、他の方の技術ブログなどを見てみるとその機能の用途をどこかで説明しないと引っかかってしまうようでした。
例に挙がっているヘルスケアとフィットネスであればストアページの概要欄で説明する必要があるそうです。
じゃあATTの場合はどこで説明すればいいのでしょうか?
今まで引っかかった事はないですし、どこかに説明欄が新設されたとか…?
謎が深まります…。
そこで技術系ブログを漁ってGuideline2.5.1に関する情報をネットで探してみたのですが、ATT関連で2.5.1に抵触したケースを1件だけ見つけました。
それはNSUserTrackingUsageDescriptionの記載漏れが原因との事。
NSUserTrackingUsageDescriptionとはATTの追跡許可を促すダイアログのこの部分のメッセージの事。ここは開発者が自由にカスタム可能なのですが、ここが空欄だったために却下されたとの事でした。
しかし私はここのメッセージはしっかりと記載していますし、その文言も過去作のものから一切変更を加えていません。なので、この時はここが問題であるとはまったく思いも寄らなかったのです…。
言われたとおり開発者フォーラムを見てみる
はじめは開発者フォーラムを見ても解決方法が分かるのだろうか?と疑っていました。だってそもそも問題点が分からないのですから…調べようがないじゃないですか…。
ですがもうこれ以上他をあたる充てもありませんし、他にやりようもないので藁(わら)にすがる思いで開発者フォーラムをのぞく事にしたんです。
そこには多くの質問が投げられていました。そして私はその中から興味深い投稿を探し当てる事ができたのです。
これにはGuideline2.5.1に抵触したと明記されていた訳ではないですが、状況としては今の私とすごく似ている気がします。質問に答えない所とか…。
そしてここではNSUserTrackingUsageDescription の文言に原因があると書かれていました。
そしてさらにはこの質問に対する以下の回答です。
…なんかもう色々と込み上げてくる話ですね。
という事でNSUserTrackingUsageDescriptionのメッセージ内容に問題があると判断し、以下のように変更しました。
■変更前
好みに合わせた広告を表示するために使用されます。
↓
■変更後
許可をした場合、広告出稿のために活用いたします。今後のサービス改善の為、トラッキングの許可をお願いします。※トラッキングの設定は端末の設定からいつでも変更できます。
追跡の許可をユーザに求めるつもりである事を明記し、さらに長文にしてみたところ、その効果はてきめんだったようで、ようやく審査が通ったのでした。めでたしめでたし。
まとめ
・以前審査が通ったからと言って次も審査が通るとは限らない
・なにかしら同様のケースをネットで探す場合、開発者フォーラムを根気よく探すと見つかる場合がある
・NSUserTrackingUsageDescriptionの説明が足りないとGuideline 2.5.1に抵触する事がある
・話の通じないレビュアーに当たると大変
この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。
おまけ
そんな紆余曲折を経てリリースされたアプリ「フレッシュチャージRURU」β版。もしよろしければダウンロードしてみてください!
【iOS版】
【Android版】