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2021年、きらきらのAKB48

58thシングル(58th!!!!!!)根も葉もRumorリリース、おめでとうございます!

突然ですが。
AKB48について、世間はどういうイメージを持っているだろう。

おそらく、私の推測だが、世間のイメージは「恋するフォーチュンクッキー」で止まっている。
日本中誰もが知っている代表曲があるというのは物凄いことだ。全くアイドルに興味が無い人、むしろ秋元Gにマイナスイメージを持っている人であっても、恋するフォーチュンクッキーを知らない人は少ないと思う。体育祭や文化祭など学校の出し物で踊った人。あるいは結婚式の余興で。あるいは会社の忘年会で。まだ気心が知れていない人とのカラオケで。そういう場所でAKB48の曲を歌ったり踊った人は少なくないと思うし、世間に言われる「全盛期のAKB」の曲はそうして私たちの日常に溶け込んでいる。

たぶん、そのイメージがめちゃくちゃ強すぎる。世間のAKBはきっと、黒髪ぱっつん前髪の清楚な女の子達がチェックの制服を着ているところで止まっている。もちろん私は高校生でAKBを好きになって以来AKBと共に育ってきたので黒髪ストレートヘアに制服の正統派アイドルとしてのAKB48が私たちの青春ど真ん中AKBの姿で大好きなんですけれども!

AKB48に特段関心がない人の中でのAKBはきっとヘビーローテーションであり、フライングゲットであり、恋するフォーチュンクッキーなんだと思う。みんなが歌えて、みんなが踊れる曲をニコニコ踊っている子達。「みんなが歌えて踊れる」「みんなが真似できる」という親しみやすさは即ち「誰でもできる」ということ。全盛期に言われていたコンセプトは確かクラスの何番目かの女の子(すみません、数字を忘れました……)とかそんな感じだったと思う、ちょっと可愛い女の子が簡単な歌とダンスをわちゃわちゃとやっているグループ。そう思っている人が、きっと多いんだと思う。紅白歌合戦出場も毎年ほぼほぼ恋するフォーチュンクッキーだったし、数時間スペシャルの音楽番組出演も定番と化した夏曲(ポニシュかカチューシャ)かフォーチュンクッキーだし……、きっとイメージがそこで固まってしまうのも致し方ない……。自分から関心を持って追いかけなければ「そうじゃない姿」は目に入らないのだから。

そんな「みんなで踊れるダンス」「誰でも歌える曲」じゃないAKBを見せつけてくれたのが今回の新曲、根も葉もRumorだったわけです。

韓国でIZ*ONEとして活動していたひぃちゃん(本田仁美ちゃん)がAKBに帰ってきた。ひぃちゃんはProduce48を勝ち残ってIZ*ONEの一員になったけれども、元々はAKBのチーム8(※各県の代表を一人ずつ集めているチーム)の栃木県代表メンバー。たぶん、IZ*ONEは知ってるけど、チーム8って一体何?そもそもそんなのがあったの?という人の方が多い。たぶん。

ひぃちゃんが日本に戻ってくる時、AKBなんてもったいない、浮いちゃうんじゃない?もっと凄いところで活躍しなきゃ……、そんな声をたくさん見聞きした。きっと、そう思った人達の頭にあった「AKB像」は可愛いけれどちょっと垢抜けない女の子達が「みんな私たちのダンスを真似して踊ってみてね!」とニコニコ踊っている姿だったんだろう。Produce48が始まった時も、しょっちゅう描かれていたのは「48グループではこれで良かったのに外では全く通用しない」みたいな描写だった。意地悪な言い方だけれど、きっと世間は、「ちょっと未熟でへたくそなAKB」を求めている。きっと言いたいのだ。「こんなんなら私でもセンターになれるよ」って。可愛い子がいない、芸能人でもなんでもない友達の方がかわいいよ、とか、一般人の方が歌える・踊れるとか、アイドルじゃない人と並んだら低レベルとか、そういうことを言いたいのだ。そういうちょっと意地悪な目線で、「AKBなんて」と言いたい人がきっと多い。そんなことは長年ファンを続けていれば嫌でもわかってくる。
そして、ファンに伝わっていることは、大抵メンバーにも伝わっている。きっとみんな知っている。 
夢を持って入ってきて、必死で頑張っていて、それでも投げかけられる目線は「AKBなんて」で、悔しいのはきっと彼女たちの方だ。

「そんなこと言わせるか!」って闘志を強く感じた。

グループ屈指の歌唱力のなぁちゃん(岡田奈々ちゃん)をセンターに置いて、ソロパートもたっぷり。ダンスもメイクも髪型も向こうの良さをバッチリ持ち帰ってきた韓国帰りのひぃちゃんと、とびきり踊れるよこゆい(横山結衣)ちゃんをサイドに。ついでに、センターはピンク髪のショートヘアのなぁちゃん、その隣に金髪ポニーテールのひぃちゃん。黒髪にヘアバンドを合わせたゆいちゃんのビジュアルが「キャラクター」としてめちゃくちゃ立ってるのもあってフロント3人が並ぶともうアイドルアニメみたい。かわいい〜〜〜〜ッッッ!

「音楽の日」での一糸乱れぬパフォーマンスを見て、「これは勝負に出たな〜〜!」と思った。SNSのコメントを見ていても「AKBっぽくない」「イメージと違う」という声が沢山。
なぁちゃんの歌の上手さも、ファイナルファンタジーの世界から来たのかはたまた少女漫画のイケメンなのか、みたいなビジュアルも、お人形さんみたいな可愛らしいお顔にとろけそうな可愛い声でバシバシ踊るひぃちゃんも、クールなお顔に小さな体でキレッキレにパワフルに踊るよこゆいのダンスのカッコ良さも、ファンは知っている事だけど、きっとファンしか知らなかったことだ。

バシッと揃ったダンスと、自信たっぷりの表情と、達成感に溢れた強気な笑顔が本当にかっこよかった。

「あの頃のAKB」に憧れて入ってきた世代のメンバー達が「今のAKB」を背負ってこのパフォーマンスを魅せてくれるのがファンとしてはグッとくる物がある。だって本当にかっこいい。
皆が知っている世代のメンバーはほとんど卒業してしまったし、AKBという冠があればあらゆる出番が確約されていたあの頃とは状況が違う。紅白歌合戦の枠だって無くなってしまったし、歌番組出演だってゴールデンタイムじゃないことが増えた。でも今のグループにはこれだけ歌えて踊れてかっこよくて素敵なメンバーが揃っている。1年半ぶりのシングルかつ、もういつぶりか、という姉妹グループを入れない「純AKB選抜」でセンターを任された岡田奈々さんの「やってやるぜ!ついてこいよ!」って強い意志が伝わってくる笑顔があまりにもカッコよすぎる。「先輩がいなくなったからって、終わらせてたまるか」って。「私たちの、今のAKBを見てろよ!」っていう闘志とか強い意志がビシバシ伝わってくる選抜、もう応援したくなるじゃないですか〜〜。

ダサくなんかない。全力で食らいつく女の子たちはいつだってかっこいい。

AKB48の女の子たちはかっこいいのだ!


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