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春分の日、ぐるりのこと、向日性│動画付き

3月21日、春分の日。今日は朝から窓の外で雪解けの音がして、17時頃でも空が明るかったです。まだ雪景色が残っていますが、いよいよ春のはじまりですね。三連休の最後の時間に、日記を書こうと思います。

3月の動画もつくりました。普段文章で書いているようなことを、声と音声でお届しています。暮らしの記録を動画で撮るようになって、写真よりも不器用なところや整っていない部分が残ってしまうなという発見がありました。大目に見ていただけるとうれしいです。

春の定義

中学生の頃、国語の授業で「あなたにとっての春」を考える回がありました。思いついたひとから前に出て、チョークを持って黒板にそれぞれの春を書き出して、みんなでイメージを広げるような授業だったと思います。桜、ふきのとう、入学式、新学期などの単語がたくさん並ぶ中で、なぜか私はとても真面目に「ふわふわしている」と書いてしまって、みんな「ちょっと違うよ」と笑っていました。その時間を、今でもふと思い出します。それはなんとなく、微笑ましい思い出。

社会人になりたての頃、当時の職場の先輩から「春の楽しみは何?」と聞かれました。私は素直に心弾ませて「雪が解けて地面の緑が見えてくること」と答えたのですが、先輩の反応は今ひとつ。後になって、「素直なのはいいけど、社会人なんだからもっと話題が広がるように話したほうがいいよ」と言われたことを、わりとよく思い出します。それはほんのり、苦めの思い出。(決して意地悪じゃなかったと知っていますが)

今なら、「色が戻って来る季節」と答えます。真っ白だった世界に、土や草や芽吹きの色が見え始めて、スーパーにも色鮮やかな果物が並び始める季節だからです。北海道に住んでいるからこその感覚かもしれないし、それこそ抽象的で、話題が広がるような答えではないと思いますが、これでいいと信じています。

春を待つ

春はつくづく、待つ季節だと思います。冬は大好きですが、雪も寒さも、この先に春がやって来るとわかっているから楽しめるような気がします。これほどみんなが待ちわびる季節って、ほかにないんじゃないでしょうか。ひとも植物も鳥もうれしそうだから、私はやっぱり春が好きです。

だいぶ暖かくなったものの、まだ家の周りは雪で覆われています。軽い上着で外に出て、ぽかぽか陽気を楽しめるのはもう少し先のこと。もうしばらくは、部屋の中で春を待つことになりそうです。

チューリップを飾ったり、春の果物を買ってみたり、部屋に差し込む光の変化を見つけてみたり。大好きな季節を、できるだけ長く楽しめたらいいなと思っています。

はちみつレモンづくり。

ぐるりのこと

梨木香歩さんのエッセイが大好きでよく読むのですが、どうしてかぐるりのことを飛ばしていました。

徹底した光の人だった。児童文学作家だったが、それは彼女の作品にも現れていて、どの本も、ここまで徹底するか、と思われるぐらいの向日性で光輝いており、現代ではすっかりアウトオブデイトになってしまった。絶版で手に入らない。

ぐるりのこと/梨木香歩/新潮社

この部分を読んで、いいなぁと思いました。調べてみると、向日性とは「植物の茎などが太陽光線に向かって伸び曲がっていくこと」を指すようです。私は、徹底した光の人にはなれないと思うけれど、向日性のあるひとになりたいなと思いました。迷っても、弱まっても、光のほうを向いていたいです。向いていることなら、できる気がします。

あとがき(これからのこと)

これから叶えたいことを緑色の日記帳に書き出してみたら、3つありました。そのうちの1つをはじめていけるように、小さなちいさな一歩を踏み出してみたところです。上手く進められないかもしれませんが、時々ここで、叶う日までを見守ってもらえたらうれしいです。

前回のnote「30歳と、ミナペルホネン」から

“そのうちの1つ”は、ずっとずっと温めていたことでした。そして小さな一歩を踏み出してみた結果、今は叶わないことがわかりました。その時は悲しくなかったのですが、今になって、その1つが叶わないことでもう1つも見えなくったことに気が付いてしまいました。自分の気持ちに追いつくまで、いつも時間がかかってしまって良くありませんね。

そんなわけで正直、今はちょっとだけ途方に暮れています。でも、今のこの状況に光を探すなら。途方に暮れているのも、叶わないのも、“今は”の話で、“いつか”はあるはずだということ。叶わないと知らないままでいるよりは、良かったということ。ちゃんと、光は見つかるようです。

年度末の忙しさと合わさって、良くないほうへ傾きかけていましたが、動画や日記で伝える時間をしっかりとれて、なんだか気持ちが落ち着きました。間に合うのか心配なものばかりあるけれど、少しずつ早起き型の生活にシフトしていこうと思います。

それでは、おやすみなさい。できる限りのよい春を。

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